NARUTO【テンカカ】

□『特別』な人
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テンゾウはカカシへの行為を止め、勇気を出して言葉を発した。

「ねぇ先輩。・・・先輩は僕のこと好きですか・・・?」

跨れた状態で聞くことではないかな、と一瞬頭を過ぎったが一旦出た言葉は取り消せない。

「・・・ん?」
「あっいえ、その・・・、僕は、ずっと前から先輩だけを見てきました。・・・先輩のことが好きなんです。本気の付き合いをしたいと思っています」

テンゾウはカカシへ視線を向け正直な思いを伝える。
もっとカカシへの思いを告げようと口を開きかけた時、カカシが先に視線を逸らした。

「あー、ありがとね」

頭を掻きながらカカシはそれだけ口にする。
逸らされた視線は戻ってくることはなく、しばらくの間沈黙が続いた。
告白への回答が返ってくるのを待ってみたが口を開く様子がない。

「って、それだけですか!」
「え? 何か他にあるの?」

焦れたテンゾウが口を開くと、予想外の答えが返ってきた。
冗談を言っているようには見えないが、テンゾウの告白に対しての答えをもらえていない。

「告白してるんですけど・・・」

カカシは、観念したかのように大きく息を吐きテンゾウを見つめる。

「・・・んー、ゴメン」
「え?」

カカシの口から出た「ゴメン」という言葉に、テンゾウは動揺を隠せなかった。

「いや、だからさ、なんというか・・・、面倒なんだよね、そういうの」
「僕が嫌いって事ですか?」

テンゾウはすぐさま聞き返した。

「嫌いじゃないよ」
「だったら・・・」
「だから、そうゆうのが無理なんだって」

カカシが求めているのは、身体を気持ちよくさせる相手であって気持ちは必要ない、とハッキリ言われているようでテンゾウは何も言えずにいた。

「・・・・・・」
「テンゾウの事は好きだよ」

黙り込んだテンゾウに向かって、聞きたかった言葉をカカシが口にする。

「でも僕の言った好きとは違いますよね」

好きと言われても気持ちの温度差がありすぎて、嬉しいと感じることは出来なかった。

「僕は、カカシ先輩の恋人としてこれから一緒に過ごしたいんです」

それでもテンゾウは、カカシへの思いを伝える。
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