NARUTO【テンカカ】

□愛しのアナタ
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「いいんです。どうせ、僕なんて・・・」

ぼそりと呟いて、テンゾウはすぐに運ばれたジョッキに口をつける。

「後ろ向きだなー」

肘をついて手に顎を乗せたゲンマは、呆れ顔でテンゾウに視線を向ける。

「僕だって、最初の頃はもっと前向きでしたよ。だけど、何度もはぐらかされたら・・・どうしていいかわからなくなりますよ」

空になったジョッキを見つめ、テンゾウはため息を漏らす。

テンゾウはカカシから今日、任務が終了して帰宅すると聞いていた。
休みが重なる日なんて数えるくらいしかないのだから、普段ならカカシの家に真っ直ぐ向かうのだが、
今日はカカシの家に向かう気にならなかった。

好きだという気持ちは勿論ある。
想いを告げる前は一緒にいるだけでも満足できていたのに、
今はただ一緒に居るだけじゃ満足できずにいる自分にも嫌気がさしていて、顔を合わせづらいのだ。
カカシから求められていればそう思わずにいれたかもしれないが。

付き合う前は、テンゾウの都合なんてお構いなしに突然やってきては、任務で高ぶった身体を鎮めるための行為をテンゾウに求めていた。
それすらこの二ヶ月間テンゾウに求めてこない。誰かとしているなんて事は考えたくないから除外しているものの、全くと言っていいほどカカシに触れていない。
好きだからこそ、カカシに触れて身体で感じたいと思うテンゾウだったが、そう思えば思うほど、カカシとの距離を遠くに感じるのだ。

「・・・付き合ってるのに、エッチしないってどうゆう事なんでしょうね」

結構酔っていると自覚しているが、テンゾウの悩みを打ち明けられる人など二人以外思い浮かばない。
テンゾウが二人を誘ったのには理由があるのだ。たまたま同じ班での任務だったから、だけではない。

カカシに好意を寄せるまでは、誰と誰が付き合おうが、身体の関係を持っていようが全く関心がなかった。
聞きたくなくても噂話はテンゾウの耳にも入っていて、その噂話の中に、目の前の二人が身体の関係を持っていたと聞いたことを思い出して誘ったのだった。
二人と同じ班での任務は偶然だったが。

しかも店に着いた時点で、カカシと付き合っていることは話しており、
二人が過去に関係していたことを知った上での相談ですと前置きしていたのだ。

「まぁ、なんだ、タイミングってもんよ」

「そ、そうだな。アイツもきっとそのうち・・・」

落ち込むテンゾウに二人はそれぞれ口にするものの、今のテンゾウにとって気休めの言葉はいらなかった。

「そのうちっていつですか・・・? あとどのくらい待てばいいんですか・・・?」

悔しいけれど、目の前の二人は今テンゾウの恋人であるカカシを抱いたことがあるのだ。
付き合っていたわけじゃないと話してくれたが、付き合っている自分とはエッチしない理由がますますわからなくなっていた。

二人と自分では何が違っているのだろうか。

「やっぱり、僕のこと好きじゃないのかも・・・」

自虐的にポツリと漏らす。

「それはねぇよ」

アスマの言葉にゲンマも頷く。

「なんでそう言い切れるんですか・・・?」

「んー、それがわからないなら、当分先だな」

ゲンマは笑いながらそう答える。

「え? どういうことですか?」

二人に縋るように目を向けるが、教えてくれる様子はない。

「まー今日は飲んですっきりしろや」

「だな。ま、明日は休みだしパーッと飲もうぜ」

そう言って二人は追加の酒を注文する。
既に普段より多く酒を飲んでいるテンゾウだったが言われるがまま酒を勧められ、記憶を失くすまで飲む羽目になった。
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