NARUTO【テンカカ】
□カカシの苦悩!?※
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最初は光に導いてくれる存在になってくれただけで充分だったのだ。
だが、人は欲張りな生き物とはよく言ったもので、
カカシはそれ以上をテンゾウに求めてしまうのだ。
(やばい。落ち着け、オレ。いくら目の前にいるテンゾウに欲情したからといって、
恥ずかしいことを口走るのだけは避けたい)
テンゾウと一緒にいるだけでも満たされている。
それが不満ではないけれど、会えばテンゾウに抱かれて、
身体の奥でテンゾウの熱を感じたいと思うカカシ自身に負けそうになり、恥ずかしい言葉が口から出そうになるのだ。
『エッチしたい――』と。
付き合う前は冗談交じりでテンゾウにそう告げたことはあった。
その時は好きな人と以外しないという強い意志があり
実行されることはないと踏んでいたので言えた言葉だったかもしれない。
そもそも自分から誘うということは、入れて欲しいって言ってるのと同じである。
カカシはそれを望んでいるが、恋人として同じ言葉を発するには恥ずかしくて抵抗があった。
「えっと、先輩? 僕、お邪魔してもいいんですよね?」
「へ?」
自分の欲望と葛藤していたカカシは、テンゾウの声にはっとした。
出迎えたはずなのに、玄関先で突っ立ったままのカカシが廊下を塞いでいては、
テンゾウは家にあがるにあがれない。
「あ、ごめんごめん、どうぞ」
「お邪魔します」
カカシは慌ててテンゾウを家に招き入れる。
カカシの横を通り過ぎる時に、久しぶりのテンゾウの匂いに身体が疼いた。
(重症だな・・・オレ)
入れ違いの任務で、テンゾウと顔を合わせたのは3週間ぶりだった。
3週間前に抱かれてからカカシは一人エッチすらしていなかった。
その間、手が伸びそうになることはあったが、
テンゾウから与えられる悦びを知った今となっては虚しい行為に思えて結局何もしないまま今に至るわけで。
久しぶりに会った恋人を目の前にして、求めてもいいんじゃないかと思う反面、
玄関先でいきなりそんなことされたら、さすがのテンゾウだって困るはずだ。
「そう言えば、先輩、夕食まだですよね? 今日は僕が用意しますよ」
家にあがったテンゾウは、リビングではなく台所に行き、
ここへ向かう途中で買ってきました、と言って手にしている買い物袋をカカシに見せた。