NARUTO【テンカカ】
□カカシの苦悩!?※
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「なんか悪いね」
「気にしないでください、僕がしたいだけですから。なんて、本当はそれだけじゃありませんけど」
テンゾウは意味ありげな言葉を口にする。
「なによ」
「僕の料理をおいしそうに食べてくれるカカシ先輩が見たいんです」
さらっと笑顔で恥ずかしいことを言うテンゾウにカカシは頬が熱くなる。
「・・・あっそ」
そんなテンゾウに照れを隠してカカシはそっけなく答える。
(嬉しいこと言ってくれるじゃないの。オレ相手にそんなこと言うのテンゾウくらいだよ?)
実際テンゾウが作る料理は外れがなくおいしいのだ。
普通に食べてるつもりだが、一体テンゾウにはどんな風に映っているのだろうか。
リビングのソファに腰を下ろし、料理に取り掛かるテンゾウを横目にそんなことを考えていた。
「先輩、明日は任務ですか?」
「うーん、どうだろうねぇ。今のところ連絡もないから、火影邸で待機かもね。 テンゾウは?」
「僕は明日と明後日は休みです。といっても急ぎの任務があれば、休日返上になりますけどね」
(中期任務明けだから連休か。ま、だいたいそうだけど、オレってばなんで今日が休みなのかねぇ。
明日が休みなら一日中一緒にいられたのに)
「・・・はぁ」
カカシは溜息がこぼれた。
休みだったカカシと違って、テンゾウは中期任務後だ。
優秀な忍とはいえ多少の疲れはあるはずなのに、任務後に食材を買って、カカシの家に寄ってくれて、料理までしてくれるなんて本当に出来た男だと感心している。
(テンゾウの手料理もいいけど、久しぶりに会うんだからさ。
もうちょっとイチャイチャ?とか、恋人らしい雰囲気とかあってもいいんじゃないの? なんて思うのはオレのわがままかな、テンゾウ)
「どうしました?」
何も映っていないテレビを見つめたままのカカシにテンゾウが声を掛けた。
「ん? なんでもないよ」
(あーやだやだ。折角テンゾウが来てくれたのに何考えてんのよ)
思っていても行動に移せないカカシは、自分自身へ苛立つ。
「テンゾウ、ちょっとシャワー浴びてくる」
「え? あ、はい」
テンゾウはいきなり立ち上がってそう言ったカカシに驚きつつも返事を返した。
カカシがテンゾウの半分くらいでも自分の気持ちを口に出せたら、カカシの中のもやもやは晴れるのだろうか。
そんなことを考えながらカカシはシャワールームへ向かった。