NARUTO【テンカカ】
□カカシの苦悩!?※
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◇◇◇
(やっぱり、今日の先輩ちょっと様子が変だ)
テンゾウは目の前のカカシを見てそんなことを考えていた。
玄関先で出迎えてくれたのに、しばらく立ちつくしていたり、ソファでも何か考え事をしている様子だった。
約束をせずに訪れるのはお互い様である。
だから突然の訪問に気分を慨しているということはないと思っている。
久しぶりに会うのだから多少浮かれ気味ではあったが、普段と同じように接していたつもりだった。
いきなりシャワー浴びる発言にも驚いたが、何か気になる事でもあるのだろうか。
今もそうなのだ。
風呂上りに落ち着いたかと思っていたら、準備した夕食を前に箸は進まずテンゾウの顔をじっと見つめているのだ。
「あの、カカシ先輩。そんなに見られると食べ辛いです」
カカシはテーブル一つ挟んだ距離にいるテンゾウの顔に見入っていた。
「え? あ、ごめん」
声を掛けると箸を動かす、という事がこれで3回目だった。
「どうかしたんですか?」
熱っぽい視線を向けられると、勘違いしてしまいそうになるのだが、
悩みがあるのであれば相談して欲しいし、体調が悪いのであれば早く横になって欲しいとも思うのだ。
「体調悪いですか? カカシ先輩、いつもギリギリまで無理するから僕心配ですよ。
今も顔が少し赤いし・・・」
テンゾウは言いながら、手を伸ばしてカカシの頬に触れる。
「・・・っ」
ビクッと身を震わせたカカシにテンゾウは思わず手を引っ込める。
「ち、違いますよっ! 単に熱が無いか確認しただけですよっ」
焦ったテンゾウは慌ててそう告げた。
「・・・ははは。心配性だなぁテンゾウは。」
そんな事を口にして止まっていた箸を動かすカカシの様子は、不自然としかいいようがない。
(明らかに変だ。僕がいない間に先輩に何があったのか?)
「テンゾウ、これおいしい」
おかずの味を褒めてくれるのは素直に嬉しいが、些細なことでも話をして欲しいと思うテンゾウとは反対に、
カカシは話す様子を見せない。
これ以上何も聞けないまま夕食を終えて、テンゾウはカカシに促されるままシャワーを浴びることになった。
(これは、泊まっていいって事ですよね?
駄目ならシャワー浴びろなんて言いませんよね。
・・・となれば、余計に先輩の様子がおかしい理由がわからない)
テンゾウはカカシの様子が気になりはしたものの、元々明日は休みで泊まる気でいたのだ。
時間はたっぷりあるので、後でそれとなくカカシに探りを入れてみよう、とそんなことを考えながら席を立った。