NARUTO【テンカカ】

□カカシの苦悩!?※
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「え、あー・・・」

大事な事を隠しているような雰囲気になってしまい、カカシは困り果てていた。

(どうしよう。何かやばい雰囲気じゃないの。
テンゾウに欲情して悶々としてただけなのに、ってかそれがまずかったのか?)

黙り込んだカカシにテンゾウは縋るような目を向けている。

「僕は先輩の恋人です。
困ったり悩んでいることがあったら一人で抱え込まず打ち明けて欲しいんです」

(まいった、こんな展開になるなんて思ってなかったけど・・・、
オレのことこんなに心配してくれるなんて嬉しいよ。
愛されてるなって実感しちゃったよ。
だから、余計に言い出しにくい)

「―――・・・なんでもない」

結局カカシの口からはそんな言葉しか出てこなかった。

「先輩。そんな顔して、なんでもないなんて良く言えまね」

(そんな顔ってどんな顔よ?)

「大したことじゃないからさ、気にしないでよ」

「・・・大したことじゃなかったら、言えますよね? 
何か言えない理由でもあるんですか?」

そんなに普段と違う態度だったか?とカカシは自分の行動を思い返してみる。

(・・・まぁ確かに、変だったな。テンゾウが気にするのも無理ないか・・・?)

「カカシ先輩・・・」

しつこく食い下ったテンゾウは、カカシが正直に口を開くまで話を終わらす気は無いのか、
お互いに黙り込んだままの状態が続いていた。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

はぁとカカシは大きな溜息をつく。

(これは言わなきゃ終わらないか?)

カカシは観念して重い口を開いた。

「―――・・・い」

カカシが発したのは、聞き取れないくらいの小さな声だった。

「? 聞こえませんでした。もう一度お願いします」

「――・・・したいの」

カカシの声に耳を傾けるものの、テンゾウが聞き取れないくらい小さな声だった。

「え?」

目の前で首を傾けるテンゾウに、カカシは苛立ちを感じる。

(あーもー、テンゾウってば、何回言わすのよ!)

顔を真っ赤にしたカカシは、今度は聞き取れるくらいの声で言葉を発した。

「エッチしたいって言ったの!」

「は?」

カカシの言葉にテンゾウは大きな目を見開いて固まっている。

「テンゾウが言えっていったから言ったのに、何なのよその顔! 
オレがそんなこと考えたら悪いわけ!? 
久しぶりに会ったんだから、テンゾウとエッチしたくて悶々としてたの! 
それくらい気付いてよ、テンゾウの鈍感!!」

カカシは、勢いまかせに思っていた事を一気に吐き出した。

「・・・・・・」

(あー・・・、遂に言ってしまった・・・。
久しぶりに会えたのに、エッチのことしか考えてないとか思われたら・・・当分立ち直れない・・・)
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