NARUTO【テンカカ】
□だって、好きなんだもの
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「そうですか」
それだけ言って、窓際に立ち寝室のカーテンを開けるテンゾウを横目で見ながら様子を伺ってみた。
窓の外は青空が広がっていた。
デートするにはピッタリの天気だ。オレも気持ちを切り替えないとな、なんて考えていた。
「・・・先輩、あの、ちょっと聞いてもいいですか」
遠慮がちに言いながらも、振り向いてオレを見たテンゾウの顔は、部屋に入ってきたときより険しくなっていた。
テンゾウの顔が険しいのは、きっと散らかったリビングのことだろうな。
ただ散らかってるだけじゃなくて、酒盛りしてたのは明らかだし。
しかも、約束の時間まで寝てたんだから、理由はどうあれオレが悪いよね。
「ん? なに?」
昨日、オレがテンゾウの家に行った事は気付いていないはずだから、普段通りに返事をしてみた。
「リビングを片付けてて気になったことがありまして・・・」
やっぱりそうだよねぇ。
でも酒盛りの理由はテンゾウのせいなんだから! そんな言い訳をオレが口にする前にテンゾウが続けた。
「・・・僕の気のせいかと思ったんですが、グラスが二つありました。
あれいつ使ったやつですか?」
ん? グラス? てっきり寝過ごしたことや酒盛りしてたことを問い詰められると思っていたのに。
「えっと、昨日・・・」
「昨日?!」
正直に口を開いた途端、テンゾウがオレに詰め寄ってきた。今日一番の至近距離だ。
ちょっと近すぎるよテンゾウってば。
「誰と一緒だったんですか?」