NARUTO【テンカカ】

□だって、好きなんだもの
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「は? 何言ってんの? 一人だよ?」

昨日任務ってわかっててそんな言い方ないでしょ。
そもそも任務で里にいない予定だったのに、わざわざ夜中から誰を呼ぶの。
もともとテンゾウと酒盛り、いや誕生日を祝うための酒だったんだから。

「本当ですか?」

「どういう意味だよ」

なんでオレが一人って言ってんのにテンゾウがそんな質問するのかさっぱり理解できない。

「一人でグラスを二つ使うなんておかしくありませんか?」

確かに一人ならグラスを二つ使う理由はないか・・・普通なら。

「・・・おかしくない」

「おかしいですよ」

テンゾウは即答した。

「いつも一つしか使わないじゃないですか。
誰か居たって思うのが普通じゃありませんか?」

「・・・一人だってば」

オレの回答に、テンゾウは更に顔を険しくしていた。

「なら、僕が納得する説明をしてください。
先輩、僕に今日帰ってくるって言いましたよね? それに午後から出かける約束をしましたよね? 
なのに誰かを呼んで朝まで酒盛りしてたんですか? 僕は今日先輩と出かけるの楽しみにしてたんですよ!」

テンゾウの言葉にカチンと来た。
楽しみにしてたのはオレも同じなのに。
なんでオレが全部悪いみたいな言い方されなきゃいけないの!

テンゾウはオレが答えるのを待つように黙ったままオレを見ている。

言い返したいのに、上手く言葉が見つからない。

「―――・・・、テンゾウのバカ!!」

勢いでそんな言葉しか出てこないなんてオレってば情けない・・・。

「は?」

テンゾウが呆気に取られた顔をしたのは一瞬だった。

「いきなり何ですか? それより僕の質問に答えてくださいよ」

淡々と言い返されて余計ムッときた。

「オレの気も知らないで、よくもそんなことが言えるよねっ」

「言ってる意味が全くわからないんですが。僕、カカシ先輩に何かしましたか?」

テンゾウからしてみればオレが何を怒ってるか見当がつかない様子だ。
そりゃそうだけど、こっちだって言われっぱなしは納得できない。
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