NARUTO【テンカカ】

□だって、好きなんだもの
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「昨日、テンゾウの家行った」

「え?」

オレの言葉にテンゾウは大きな目をぱちくりさせた。
テンゾウの質問は無視。オレだって昨日のテンゾウが誰と居たのか気になってるんだから。

「昨日・・・、任務を終わらせて急いで里に戻ってきてテンゾウの家に行ったんだけどさ。
お前居なかったんだよね。どこ行ってたのよ?」

静かにゆっくりとそう言って、冷たい視線をテンゾウに向ける。

「でも先輩、昨日は里に戻って来れないって・・・」

「『無理かも』って言ったの。『来れない』なんて言ってない」

オレの八つ当たりに近い態度で、さっきまでと立場が逆転した。

「えっと、あの、ですから・・・、その、飲みに誘われたので出かけましたが、
暗部のメンバーですし、やましい事はありませんよ・・・?」

困った様子のテンゾウはしどろもどろに答えた。

「ふーん、そう」

「はい」

テンゾウが誰かと・・・なんて事がないのは見るからに明らかだ。
まぁ確かに約束してたわけじゃないから、飲みに誘われて出かけるなんて普通のことだけどさぁ。
昨日は年に一回の誕生日ってやつで、特別な日なんじゃないの? 

「・・・そりゃ、出来ない約束はしたくなかったから、あー言ったけど、
もしかしたら・・・とか思わなかったわけ?」

一緒に過ごしたかったなんて思ってたのはオレだけだった?

「・・・・というと?」

こんな反応されたら、オレばかりがテンゾウを束縛しているようで情けなくなってくる。
頭を掻きながら伝えればいいのか言葉をあれこれと考えてみた。

「・・・もしかしたら、――オレが来るかも・・・、とかさ」

恥ずかしさを堪えながらポツリと小さく漏らしてテンゾウの様子を伺い見る。
きょとんとした顔をオレに向けていた。

「考えませんでした。任務で里外にいると聞いていたので」

さらっとテンゾウの口からそんなことを言われオレはショックを受けた。

オレ達付き合ってるんだよね?
なのにその言われ方、オレだって人並みに傷つくよ。
恥ずかしさで頬を染めてたのに、今の言葉で一気に気持ちが沈んだ。

「・・・テンゾウ冷たい」

テンゾウはオレの言葉に慌てて付け足した。

「カカシ先輩が戻ってくるなら、どこへも出かけませんでしたよ」

「・・・え?」

って事はテンゾウもオレが来るの待ってたって事?
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