小説:ランダム短編→2
□小さいことはいいことだ。
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獄寺くんと、同じになってしまいました。
「ツナぁ?」
素っ頓狂な声をあげる山本に、こくんと神妙に、外観的にはちっちゃくうなずき、綱吉は肯定した。
服も髪もぐちゃぐちゃなのはいつものことなのだが、さすがの山本でも、まさか大きな大人の靴をつっかけて転びそうになっていた小さな子供が、親友だとは思わなかった。
「どうしたんだ?」
「ん、リボーンのいつものなんだけど」
納得して全てを笑って受け入れようとした山本に、綱吉は続けた。
「助けて」
竹寿司の2階にこっそり運び込んで、ジュースを持って来て小さい綱吉に持たせる。
綱吉はまだ、部活のかばんの中に隠れたままだった。
「落ち着いたか?」
「うん」
かばんから出してやり、座布団に乗せる。
小さくちょこんと座る様子は、小動物そのものだ。
山本は、猫だ子犬だとわーきゃー騒ぐ女の子たちの気持ちを理解した。
「リボーンのいつものことなんだけど、獄寺くんが」
「獄寺が?」
「なんか、やたらカワイーカワイーって騒いでぐちゃぐちゃにするから、怖くて逃げちゃった」
悪かったかなぁなんて遠い目をする綱吉に、悪くなんてないさ、と苛立ちもあらわにつぶやく。
驚きにただでさえ大きい目が小さい体になってさらに大きくなってるにも関わらずさらに見開いてる綱吉の頭を、ぽんぽんと撫でるようにたたく。
自分の手が、やけにでかくなったような気がする。
小さい綱吉は、両手の手の平で包み込めてしまえそうだ。
ちっちゃいちっちゃい、ぐしゃぐしゃにしたい気持ちがわからなくもない。
「治るんだろ?」
「うん、いつかはわからないけど」
「じゃあ、治ってから謝ればいいんじゃね?」
「……そうだね」
パッと明るい表情になる綱吉に、たまらず頭を掻き回す。
痛いよと言う声が舌ったらずで、ツナだなーと言うとなんだよソレと怒鳴られた。
「ま、オヤジにはツナの親戚の子だって言っとくから、のんびりしていけよ」
「……いいの?」
「かまわねーって!!ツナは元からあんまり食わねーから何も気にすることないって!!」
バンバンと叩かれた背中がやけに痛かったが、綱吉はこくりと頷いてアリガトとつぶやいた。
「で、小僧。ツナはいつ戻るんだ?」
「何を期待してるかわからねーが、真夜中に戻ったりなんかしねーぞ」
「そっか!!」
あんまりがっかりしてない顔に、リボーンはあんまり呆れてない顔でため息をついた。
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なんだこれ(笑)。
靴がでかいなら、服もでかいままなんじゃないかとか、途中で気付いてしまい、まあ、ちっちゃい子萌えだけ追求してみました。
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