小説:ランダム短編→2

□甘ったるくないチョコの食べ方
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※気をつけてね?注意書きが必要な小説ですよ。

※舞台は、10年後くらいです。
※骸がツナの左腕です。
※ハイパーな性格の、例のツナさんです。よく書いてるツナさんです。性格はタラシです。
※たぶんムクツナです、たぶん。

とりあえず、気をつけてね。


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ボンゴレは日本贔屓な組織だ。いや、日本の愉快な行事を取り入れ馬鹿騒ぎをするのを愛する人間に侵食された組織と言った方がいいだろうか。カテ教改め顧問先生はイタリアに来てからも絶好調だ。
今朝方、面倒だから私室に運んどいてと投げやりに告げた台詞を後悔するわけでもなく、夜まで様子を見に行かなければ良かったというより今見に行っといてショック死だけは免れた超直感ありがとうって気分だ。

「何、この山」
「見てわかりませんか?このスケコマシ」
「おまえに罵られる言われはないが、たまには甘んじて受け止めてみようか」
「そうしてください。ついでに僕の今日の仕事を休みにしてください」
「やっぱ全部却下」
「見事に韻を踏みましたね、さすがドン・ボンゴレ、僕の綱吉くん」
「そうだねそれじゃあ、仕事を追加してやる。役に立ちやがれ六道骸」
「はい、綱吉くんv」

甘ったるい声を出しやがって。
部屋に突っ立ってる骸の脇を擦り抜け、山と詰まれたプレゼントの1つを手に取る。
「それは山本武からですよ、あの忌ま忌ましい勘違い男、ベルギー産とかスカしたものを」とか、ぶつぶつ解説が付いてくるから、いくつか手にしては様子を伺う。
すごいね骸、全部贈り主を暗記してる上、中味まで文句付けてる。

「それで」
「ん?」
「追加の仕事というのは?」
「あ、部屋の整理」
「………それをまさに今、誠心誠意込めて遂行してる真っ最中の君の愛しい左腕に言いますか!!」
「うん?文句は聞かないよ?」
「知ってます!!独り言です!!……それはまあいいとして、これ以上片付けるって、この、君の愛を勝ち取ろうという軟派な物体を人間道で細切れにして修羅道で燃やし尽くせばよろしいんですかね?」
「それに近いけど、違う」
「……近いんですか。いいです、聞きましょう」

ベッドに腰をかけると、足元に座って擦り寄って来た。頭に手を添えると、目を細めて猫みたいだ。

「中味の処分をよろしく」
「……中味だけですか?」
「中味だけで済まなかったら、それはホワイトデーに特別なお返しをするから、中味だけ」

顎を指で持ち上げる。見開いた目が期待に光る。

「おまえの胃袋に収めな」
「……チョコだけでいいですか?」
「あ?いいよ?さすがにシャンパンを瓶ごととかハンカチやパンツまで食えとは言わないさ」
「パンツはこっそり燃やして始末してしまいましたが」
「超直感をナメるな、わかってるから大丈夫。ホワイトデーのブラックリストに上げといてくれたらいいからさ。でも雑巾に使えそうなら使うのが、現代の社会情勢に見合ったエコPRな企業姿勢だよ」
「パンツで磨いた机で決算するのはいかがなものかと思いますが」
「気にするな。パンツだって立派な布地だ」

いい加減、パンツから話題を離れよう。

「それで?」
「はい?」

視線だけでは話せない。だいたい俺が、言いたいことを見抜いて誘導するだけだから、いくら六道骸でも細かい意思までは読めない。
わかってても、たまにやってみる。こいつが、どれだけ俺のことで頭がいっぱいなのか、試してみたくなる。

「おまえからのチョコは?」
「僕からですか?」
「そう。逆チョコとやらが流行ってるからね、流行に敏感な六道骸ともあろう者が、乗らないはずがないよね」
「あえて乗らないのも僕ですよ」

なんだ。せっかく、昼ご飯で抜けられたからわざわざこっちに来たのに。
まあ、超直感とやらで結果もわかってるのに聞いたんだけどね。

「しかたないな」

ため息と一緒に、懐を探って小さな箱を出す。
スライド式の箱を開けて、中味を摘む。

「口を開けな」

摘んだチョコをほうり込み、指を突き出してついたチョコも舐めさせる。

「溶けてますね」
「おまえの態度がな」
「いつもでしょう?」

もう1つ手にして、骸の口にほうり込んで、指を頬になすりつける。チョコレート色に汚れた跡に舌を這わせる。

「お腹空いた」
「食べますか?」
「いらない。そろそろリボーンが迎えに来る」
「残念です」

クフクフ笑うな気持ち悪い。


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