小説:ランダム短編→2

□231の写真の彼女
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(例の写真の話の裏話)


ちょっとしたホテルの一室、俺は茫然と立ち尽くしていた。

「……なんでこんな格好しなきゃなんないの?」
「ニブツナが」

わぁ、新たな呼称誕生!!嬉しいねぇ、なんてやけっぱちに睨み付けると、ぐいとあごを掴まれ至近距離でビアンキに睨み付けられた。

「ツナ!!眉間にシワを寄せるんじゃないわよ!!」
「は、はい…」

ぽふぼふとスポンジで眉間をはたかれ、ようやく再び開放された。
細い靴はバランスが取りづらい。ふらつく。

「……そんで、なんで俺がこんな格好を?」
「綺麗よツナ。さすが私の作品ね」
「よくやったぞビアンキ」
「ありがとう、リボーン」

相変わらず仲がいい二人にこっそりため息を流す。眉間だけは要注意。
じっとりとした目を二人に向けると、ビアンキが肩を掴んで俺を鏡の前まで移動した。

鏡の中に現れたのは、ローヒールの靴に、茶色いワンピースを着ている姿。タイトなミニ丈のワンピースに、ハイネックのインナーを合わせて男女がバレちゃう首を隠してる。少し暗い茶色の髪はウェーブがかかってあごの辺りで切り揃えられてる。これじゃ、女の子っつーか女の人だ。
化粧をされたまつげは重いし、頬が引きつってるように感じるのは慣れない。

「ほら、かわいらしいわよ」
「……確かに、完璧な女装だとは思うけどさ、なんで女装なのかが問題なんじゃ」
「だからニブツナだって言うんだ、ダメツナめ」

ダメツナ呼び復活!!いや、ダブルネームですか!?

「だってこれから了平さんち行くってのに、女装なんかした男が現れたんじゃ、了平さんのご両親も納得出来ないでしょ!!」
「何言ってんだ、「息子さんを下さい」って言うんだから、女装くらいするのが礼儀だろーが」
「日本のエキゾチックな風習よね」
「そこビアンキ!!うっとりしない!! あとリボーン!!了平さんに迷惑だから!!」

その時、内線が鳴った。取ったリボーンがニヤリと笑う。

「ロビーにダーリンがお待ちかねだぞ、シニュリータ」
「だれがシニョリータだ。くそ、笑われてくりゃいいんだろ!!」

ドスドスと歩きたいところだが、タイトスカートと細い靴(パンプスというのかな)じゃ、どうしてもゆっくりしか歩けない。ぎりぎり転ばない高さだったり足さばきが出来るスカートなのが憎ったらしいぞ、リボーン!!

「いってらっしゃい、ツナ。ご両親に気に入られてくるのよ」
「ラブラブっぷりで、了平をゲットして来いよ」
「ああ、わかってるよ!!」

廊下にいた獄寺君と山本が、うっとか言って顔を背けたけど、もう気にしない。
こうなったら、リボーンにねっちょり仕込まれた「女の子に成り切りの術」で、見事了平さんのご両親に女の子と信じ込ませてやる!!バレたら恥だ!!恥ずかしさで死ねる!!

今回の俺の任務は、守護者として了平さんをイタリアに連れ去ること。穏便に行うため、ボンゴレボスではなく私人の沢田綱吉として、了平さんがイタリアに転居するのを納得してもらわなくちゃならない。了平さん自身の安全と、ご家族や周辺の人の安全のためには、ボンゴレの名前は出せないし騒ぎを起こして注目を集めるわけにはいかないんだ。
そのための優しい嘘なら、わかってくれるよね?















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了平さんゲットだぜ大作戦〜〜〜!!
ボンゴレボスや守護者が、安易に写真を残すはずがないだろうが。ハハン。
でも了平さん自身はマジっぽいな(笑)。天然だからなー(にんまり)。

雲雀さんと骸は単独行動が祟って、見られず(笑)。
実家ではフォローのために京子ちゃんも活躍してくれます。

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