小説:ランダム短編→2
□甘ったるくないチョコの食べ方
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ドアのノックで顔を上げて、骸の頭を押し出す。
「ツナ、飯だぞ」
「わかった、今行くよリボーン」
「僕も行きます」
立ち上がろうとした骸を見て、首を軽く傾げる。
「だめ」
指先を額にあてて、ゆっくりと押し倒す。骸を床に転がしてから、体を起こし背筋を伸ばして骸を見下ろす。なんとなく物足りなくて、靴で耳の上を踏み付けると目が合ったので、にっこりと笑いかけてやる。
「いい子で仕事していろよな」
「わかりました、綱吉君」
ぐりっと踏み締めるように踵を返してリボーンに歩み寄る。わかりやすくうんざりした顔してやがる。
「……ベタベタすんな」
「躾だよ」
ドアが閉まる時にも見つめてくる骸に手を降る。尻尾がついてたらブンブン振ってるに違いない。耳が付いていたらぺったり垂れて頭にくっついてるんだ。
「躾って言い張るのは、飼い主ばかりだな」
「ま、可愛がってる自覚はあるから、ほっといて。………ひょっとして、リボーンもやられたい?」
「俺は調教されるより、する方だぞ」
「そっか残念」
「断念してくれて感謝する」
げっそりしてるリボーンさんが、ぽいと何かを放ってきた。
両手で受け止めて、歩きながらリボンをとくと、超高そうなトリュフチョコが1粒。
「さっき渡してくれたら骸に仕事あげられたのに」
「だから今渡したんだろ」
「んー、さすが世界一のせんせー」
「当たり前のことを言われても嬉しくないぞ」
1粒だけだからと、口に放り込む。絶妙な甘さとエスプレッソ風味がさすがリボーン。絶品だ。
「じゃ、お返しに午後の仕事もがんばりますかー」
「そうしてくれ」
執務室の隣の食事も取れる応接室に向かいながら、夜には部屋が広くなってるといいなーなどと思っていた。
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アレ、リボツナがちろりと(笑)。
友人の感想↓
「踏みが甘い」
私もそう思います。
観客がリボ様ひとりだったのが不満だったようですよツナ様。