モンスーノ

□※君には必要ない
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君には必要ないよ…。

そう言うノアの目は何も見えていないようで、震えていた。けれども、俺の腕を掴む手は震えることなく、一層力が増していた。

「必要ない、て、どういうことだよ。ノア」

「その通りだよ。君には必要ない。ビジョンが見える必要はないんだ。だって、僕がいるから」

「ちょ、ちょっと待って!はは、だからどうして押し倒すんだ?」

「実際はどうか知らない。けれどこうすれば君はビジョンが見えなくなるかもしれない…」

「別に見えてたっていいじゃないか」

「よくない」

遮るようにノアの言葉が突き刺さった。チェイスは困惑が隠せず、気づけば額には汗がにじみてていた。

「僕がビジョンを見て君に助言する。その形がベストなんだ…」

ノアはそう呟きながら、ゆっくりとチェイスのズボンに手を掛ける。

「ノア、何するつもりだ」

これ以上は、とチェイスはノアを睨みつけた。その時見えたノアの瞳は余りに弱々しく、迷いを感じれた。チェイスは何事かと思って気を抜いた隙をつかれ、ノアの手が侵入してきた。

「…っ!ほんとにやめろ!ノア!!く、ああ!」

ノアの細い人差し指が入ってくる痛みと圧迫感がチェイスを襲う。しかし、苦しむチェイスを余所にノアの手は動きを止めない。

「あ、ぐ…。」

「大丈夫。痛いのは今だけだ。そのうち慣れるよ…」

ほんとは僕を跳ね除けるなんて君にとっては簡単なことなのに、そうしないのは君の優しさなんだろう。



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