dream
□0618/2013年黄瀬くん聖誕祭
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「ハァ…名前っちが構ってくれないんスよ…」
俺は今、桃っちに相談してるんス。どうしたら名前っちが俺だけのことを見てくれるのか。俺が落ち込んでいるのをみてか、桃っちが優しく声をかけてくれた
「涼ちゃん!大ちゃんが明日なら放課後1on1してもいいって!!」
「まじっスか?!」
「うん。大ちゃんほんと気まぐれなんだけどね」
「さつき。」
俺が桃っちと話していたときに聞こえた透き通ったような聞き慣れた綺麗な声。
「名前っち!」
「名前!」
俺をみて少し驚いた顔をした名前っち。驚いた顔も可愛い。ほんと襲いたくなる。
「涼太もいたんだね」
「そうっスよ!」
「さつき、頼まれてたもの」
「あ、名前ありがとう!!」
「そうだ、涼太。」
「何ッスか?」
「明日なんだけど。」
「ぁ、名前っち、忙しいんスよね!大丈夫ッス!!」
断られたことを思い出しじわり、とくる。
「そうなんだけど。明日の放課後6時ぐらいなら時間作れるけど?」
だけど、名前っちは、俺のために!!
「ほんとッスか!?」
「嘘は好きじゃないの。」
そのツンとすました顔も、へへっと、笑う顔も年相応な寝顔も全部可愛くてああ、これは重症かなあ、なんて思ったりして。
「約束ッスよ!」
「またね。」
「また明日ッス!」
曲がり角で手を振って別れたあとも、俺は名前っちのことで頭がいっぱいで。眠れそうになかった。
また明日。その言葉を確かに受け止めて。