dream
□crazy for you!!/緑間
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「名前」
「タオルならベンチにあるでしょ?ごめんね、手が離せないんだけど。もう、仕方ないなぁ…はい、どうぞ。」
名前を俺が呼ぶと仕方無さそうに、だが嬉しそうに振り返りタオルを渡してくれた。
「ああ。ありがとう」
「苗字って真ちゃんに、甘いよな〜」
「ん、なーに、高尾くん、外周逝きたいの?」
「ちょ、苗字、目笑ってないから!!怖い怖い!しかも漢字違うし!!」
「苗字を怒らせるなんて高尾勇者だな」「外周とか高尾ざまぁwwww」
「ん、そこの奴も外周逝きたいワケ?いいよ、高尾くんとそこの、50周逝ってきたら?」
「え、真ちゃん助けて!」
「今回はお前が悪い。諦めろ。」
「ちょ、真ちゃん!?」
文句を言いつつも高尾がグラウンドへ向かっていった。
高尾たちが体育館から出て行くとすぐに…。
「名前?」
「何、真くん。」
「…」
…名前をぎゅっ、と抱きしめた。
名前は俺の腕の中で真っ赤な顔をしている。そんな顔してたら飢えた男に喰われてしまいそうだ、なんてな。
「真くんのばか…」
真っ赤な顔。潤んだ瞳。見上げるような名前に勝てるわけが無い。
「ああ、すまなかった。」
頭をなでてやると気持ちよさそうに目を細める。
「おい木村ァ、軽トラ!…リア充爆発しろ。」
「わりぃ、今配達中だわ」
「宮地…」
高尾たちがいなくなってから、さりげなくだが、いちゃつく2人に宮地先輩らがイライラしてきた頃、高尾がようやく外周から帰ってきた。
「ふう…はぁ…はぁっ」
「高尾、おせーんだよ」
宮地先輩が高尾くんの頭をべしっと叩く。
「すんませんっす!いでっ、宮地サンたたかないでくださいよー」
よっぽど、痛かったのか素早く宮地先輩と距離をとる高尾くん。
「おかえり。今日抜き打ちテストらしいから、早く大坪先輩のとこいきなよ。」
「えっ!?」
「普段から人事を尽くしていれば問題ないだろう。行くぞ。」
「ん、頑張ってね。」
「苗字、できたぞ。」
「大坪先輩、さっきの監督の振り分けでお願いします。こっちはノートは用意済みなんで。」
「ああ。」
ベンチから選抜を眺めていた。
「選抜テスト、どうするつもりなんだ、苗字」
「監督…私は記録するだけで最終的に決めるのは監督とキャプテンなんですが」
「構わない。苗字の意見を聞かせろ。」
「…はぁ。強引ですね、監督」
「…」
「はい、SF選抜ですけど、間違いなく宮地先輩ですね。二番の方も前回よりだいぶ良くなってますからアリですね。可能性はいいと思いますが、まだスピードがどうかと。」
「…ふむ」
「PG選抜は微妙ですね」
「…どういうことだ?」
「監督、この3年間、真太郎を軸にする気ですか?」
「…ああ。それがキセキの世代を獲得するってことだ。」
「ならば高尾くんですね。彼の眼の才能は伸ばしたらよりよくなりますね。今の先輩は周りをみれてないですね…」
「まあ、三年の先輩もそこそこですよね。ただ、連携とかチームプレーの無さは三年としてはかなり、だめですね」
「…ふむ。」
「ん、監督ただの、独り言、なんで気にしないでもらえますか?」
「苗字、スタメンは決まりだな」
「…何ともいえませんよ?まだ全員見たわけではないですし」
「…任せたぞ」
監督は言葉を交わして他の一軍を、見に行った。