〜短編集〜

□大人ってなんだろう
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今日は直也とお家デート。

今ちょうどお昼なんだけどね、直也がご飯作ってくれてるんです。

……なんでもできちゃう直也に対して料理もろくにうまく作れない不器用な私。

直也につりあえるようにっ!って必死に大人っぽくして、料理も勉強して。

でもやっぱり釣り合わない……そんなのわかってるわけで。


直「はるーお昼できたよー」

なんて言ってる直也の声が聞こえる。

でも私の今の頭にあるのはさっきケータイのディスプレイに出た女の人の名前。

そりゃさ、私子供だもんね、大人な人がいいよね、なんて幼稚な考えしちゃいけないのはわかってるけど。

実際直也とは3歳差。


直「なんでそんな難しい顔してんのっ?」

急にのぞき込んできた直也にびっくりしてよろける。

直「俺に呼ばれてゆっくりたったと思ったら固まっちゃうし、どした?」

「んーん、なんでもないよ」

といいながらも私の頭の中はネガティブなことでいっぱい。

直「あ、わかった。またつまんないこと考えてんだ。」

え?っていうとこれでしょ?って言ってケータイの中のメールを見せてくる直也。

あ、仕事のメール……スタッフさんからだったのか……


そしてケータイを置くと無言でぎゅってしてくれた。

直「悩まなくていいのー、好きなのははるだけなんだから。」

そぉいってくれる優しさに心がなぜか不安になる。

直也は優しいから、わたしをつきはなすことができないんじゃないかって。

「…私、料理も直也よりうまくないし、子供だし、いいとこなんも「ある」

無表情こわいwなんていいながら私のほっぺたむにーってしてくる直也、ねぇ、さりげなく痛いw

直「俺ははるに惚れたの、はるが好きなの。
それにさ、料理、自覚ないのかもだけど、もう多分俺よりうまいよ?」

「でも子どもなのに変わりは…っ」

いいかけた瞬間に塞がれた唇。

いつもより長くてクラクラしてくる。

「はっ……」

離れた瞬間に肺に酸素が入って意識が戻ってくる。

直「子供はこんなキスできませんw」

「直也のバカ……w」

直「知ってるw」





(もう悩むのやめなよ)

(いや、多分無理w)


結局 大人ってなんだろう?

(キスできること)

(いや、違うでしょ)
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