短編小説
□後輩
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「(・´д`・)でも、名前とクラス聞き損ねた!!」
ため息をつく。
「まあ、突然、思い描いていた憧れの人物が目の前に居たら、緊張してまともにしゃべれないよな。」
うんうんと金武が頷く。
「でも、おまえそれってさぁ。その先輩の顔が好きなだけで中味知らないだろ!どんな性格でも良いのかよ?」
頷いた後に突っ込みを入れてくる。
「……」
そこまで考えてはなかった。
「いや、でもチャンスだよ!こんな奇跡もう二度と起こらないと思うんだよね!!」
そうだよ、付き合ってみないと中身なんて分からない!!
「まずはみんな形から入るものだと僕は思うよ!」
「何も考えてないの間違えだろ」
「うっ… そうだけどさぁ。
他の誰かに捕られる前に唾つけとかなきゃだよ!」
指摘され刺さるけど、めげない。
「彼氏居たらどーすんの?」
( ̄□ ̄;)!!
「いやいや、とにかく、アタックあるのみだよ!彼氏が居たとしても、その彼氏が良い人かどうか分からない!
変な男なら僕が別れさせるし!」
「…強引だな。」
「強引にもなるよ!テレビという分厚い画面にどれだけ手を突っ込んで彼女を助けたいと思ったことか!!」
「今のテレビ薄いけどな。」
「よけいな突っ込み無用だよ!!」
今、現実に居るのに手を伸ばさないなんて、ありえない!!
「僕は先輩を見つける!!」
★ ★
先輩を見つけるために、いちかばちか校門で待ち伏せをした。
数分待っていると目当ての彼女を見つけた!!!
「お疲れ様です!先輩!」
最初は振り向いて貰えず、思わず手を握った!
すると、直ぐに振り払われた!!
ちょっとショック。
「私?呼びとめられてるってきづかなかったわ。ごめんね」
自分が呼び止められていると気づいてなかったらしい。
「いえ、こちらこそ振り向いてほしくていきなり手を掴んでごめんなさい」
やっぱり、いきなりだし、警戒されてる。
「で、何のよう?」
「あの、今朝はありがとうございました!無事、僕の名前ありました。」
僕がお礼を言うと
「あっ、今朝の。私顔良く見てなくて覚えてなかったんだけど。わざわざ報告に来てくれたんだね。」
(普通はしない。あのとき逆光で顔見えてなかったけど、まさかこんな可愛いこだったとは。)