短編小説
□私、結婚してました。
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仕事帰り、家に入る前に郵便ポストをチラリとチェックする。
家のポストは隙間から中身が見えるタイプなので、何かが入っていたらすぐに分かるのだ。
(今日は白い物が入ってるみたい)
パッと見視力がそこまで良くないので何かのチラシかもと思い、とりあえず取り出して捨てようと思ったら手紙だった。
私の名前と住所消印が押された切手。
ここまでは普通だ。
しかし、後ろには差出人之名前がなかった。
企業からのダイレクトメール?
いつかの不採用の履歴書でも入ってるとか?
見た目も、触った感じもなかなか分厚い。
(しかし、差出人の名前が無いとは。
よほど慌ててたのか?何かちょっと怖い)
とりあえず、その封筒を持って家の中へと移動した。
ただいま。
誰もいない部屋に呟いて中へ。
くらい部屋の電気をつけて封筒をテーブルの上に置いた。