クリアできなくてもかまいません!


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気がついたら… NEW!

 いきなりですが私、夏梅 咲良 (なつうめ さくら)は
大好きな乙女ゲーム「煌く世界の果て」に閉じ込められてしまった。

 何度も何度も繰り返しているループ
自分の本当の年齢さえも忘れてしまった。
永遠の16歳、虹色 月(にじいろ つき)として気がついたらこの世界にいた。

 しかし、何故?転生ではなくて、閉じ込められたことがわかったのかというと…

 他の誰にも見えないけど、私の右肩の方にこのゲームの攻略を導いてくれる神様が教えてくれたのだ。

 その神様、見た目は妖精。
金の短髪に薄水色の羽根が背中に生えてる男の子。

 私はというとゲームのヒロインだからめっちゃ美少女。
肩までの長さに、少し内巻きになってる茶色の髪に睫毛が長くて目元がぱっちり。
瞳はきれいなエメラルドグリーン。

 現実の私とは大違い。

 「月ちゃん!!僕、明日も月ちゃんに会いたい!
明日だけじゃなく、これからもずっと。
だから、明日の決戦負けないように頑張ろう!!」

 ギュッと私の両手を自分の両手で握りしめてくれる彼。

 今はそう、何度目かわからない、ラスボスとの戦いの前夜。
攻略対象から告白される場面。

 私は、彼を潤んだ瞳で見つめる

何度だって見つめられるし、ドキドキする。


 そう、大好きな彼
葉月 紫信(はずき しのぶ)くん

 ふわふわっとしてる短くて少し癖のある茶色の髪に大きな紫の瞳。
主人公の後輩。
やさしくて、素直で笑顔が可愛い!

見た目は頼りなさそうに見えるけど、芯はしっかりとした男の子だ。

 私はそんな彼に夢中だ。

何度、右肩にいる神に
『他のキャラとのEDもみないと、世界の秘密が解き明かされないからゲームから出られないぞ!』
と、説き伏せられても断固として譲らない。

というか、譲れない!
他の攻略対象の二人には悪いけど、私の触手は彼にしか動かないのよ!!

 気がついたら、彼の笑顔に心を持っていかれたの!!

 そう、明日ラスボスを倒してまた、リ・スタートでも
私は彼とずっと生きることを選んだんだ!

もう、あの景色を見たくないから NEW!
小説機能うまく使えてない?

 何度もループしているうちに麻痺していく心との戦い。
たとえゲームの世界でも気を抜いてしまうと、、、

手を取り合って NEW!

 おお〜!!
歓声が響き渡る。

 気がついたら、私達4人は手を取り合い
見知らぬ大きな部屋の真ん中
魔法陣の上に現れた。

 あの、玄関開けたら真っ暗闇の空間から
光の眩しい明るい部屋に転送されたのだ。


 行きはみんなひとりだったのに、何故か仲良く手を繋いで魔法陣を囲むように輪になっていた。

 これが異世界の星シオンに私達が足を踏み入れた最初の一歩である。


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