short book
□不死鳥
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『いらっしゃいませー』
さあ、今日も私の1日はセ○ンイレ○ンの玄関掃除から始まる。
ザッ─ザッ─
あ、またこんなところに吸殻落ちてる。
ザッ─ザッ─
うーん……昨日誰かラーメン零したんだな、掃除しろよ深夜シフトの奴。
後で熱湯消毒していいかな…なにより私が見てて気持ち悪いし、店長に聞いてみよう。
ザッ─ザッ─
「おはようユウナちゃん」
『あ、おはようございますサッチさん今日も立派なリーゼントですね』
「ハハッ!ありがとな。じゃーまた夕方な」
『はい、いってらっしゃいませ』
ザッ─ザッ─
はあ、サッチさんカッコイイなあ…週に3日しか電車通勤しないなんて勿体無い、もっと私に会いに来て欲しい。
なぁーんちゃって!いやーん私ってば、お と め ☆
………いやいや、ないわ、自分で言ってて気持ち悪いわ。
寧ろ来ちゃいけないよサッチさん、うん。
ザッ─ザッ─
うん、こんなもんかな?
塵取り塵取り〜、あった。
ザッ─ザッ─
「……今日も頑張ってるねい」
『あ、おはようございますマルコさん』
「よい」
『今日は早いんですね』
「あー…いや、ちょっと、な…」
『あ、わかった!タバコ切らしちゃったんですね?』
「………ああ、そうなんだよい」
マルコさんてほんとヘビースモーカー。
溜息つくほどタバコが欲しかったんだね。
えーと……うわ、レジいっぱい
『レジは今混んでるんで、ここで待っててもらえます?』
「?よい」
いつも飲み物下さるし、今日くらい私から差し入れさせてもらおう。
3箱手にレジ打ちをしてるウソップくんにお金を渡しておく。
ちょっとしたら、この波も引くからね。
あ、煙草ないからってそわそわしてる。
なんか彼氏を待つ女の子みたいで、面白いなマルコさん。
『はい、マルコさん。お待たせしました』
「ああ、ありがとよい、いくらだい?」
『あ。そうじゃなくてですね、えーと…いつも(差し入れとか)お世話になってるんで、私から差し入れです(ニコ』
「っ!よ、よい//」
『それじゃ、私品出ししなきゃなんで。失礼しますね』
中に入る前にちらっとマルコさんを見たら固まっていた。
もしかして嫌いなタバコ渡しちゃったのかな?!
いやいや、それなら渡した時に言うはずだもの。
うーん………ま、いっか。
(…お前の顔が見たくなった、なんて言えねぇよい)