short book

□で、出直してみ…?
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夏も終わり、私のプレショも終わった。





『きゃー!キャプテーン!○○くーん!!お疲れ様でしたぁー!』





ファンに混ざって泣いた泣いた。
あースッキリ!
千秋楽だけはコスプレで参加するのが私の中での変なルール。
そんな私はハートのツナギを着ている。




『ペンギーン、後でゲームしよー?俺あのベポもう一体欲しいんだー!』

「ん?いいけどまた俺が取ればいいのか?」

『うんっ!お金出すからお願いペンギン〜っ!』

「おいおい、キャプテンがいるのに俺に頼るのかよ」

『だってキャプテン、ベポにメロメロじゃん。俺らに構ってくんねーじゃん?にししっ』

「…………あー…そうだな」






ちらり、ファンに捕まったのであろう今回一緒に来たキャプテンとベポの頭だけが人集りから見えている。

どうせあそこから出てきたら「俺とベポの写真撮れ」って言ってくるだけだし、問題はなかろ?

置き手紙(LINEに)だけ置いて私らはゲームがある場所を目指した。



今日は見てわかるようにハートの併せに参加させてもらっている。
3人とも以前ここで知り合ったレイヤーさんだ。
インパが重なる日はキャストを撮るためカメラマンとしてついて行っていたりする。

そして、今回取りにいくベポのぬいぐるみは不可抗力により奪われてしまったので新たにgetしにいくのだ。
もちろん、あの出来事のことは誰にも言えてない。
だってキチガイに思われたらやだもん。




「シャチ?おーい、大丈夫か?ほら、取ってやったぞ」

『!あ、ごめん。ちょっと考え込んでたみたいだ。ありがとペンギン!!』

「いいってことよ!お礼は今日の写真期待してっから」

『あはは、頑張ってカッコよく撮るね!』



まあ、こうは言ってても実はゲーム中のペンギンを激写してたりする。
私、カメラ構えずに撮れるんだぜ(`・ω・´)キリッ


ゴキゲンでベポを抱きしめながらペンギンに絡みついて段差を降りた瞬間、自分の手が透明になりだした。





『え、チョッ、今?!』

「は?」



ペンギンに抱き着いているのでペンギンも透明になっていく。
やべ、ゲストとかに変な目で見ら…………あれ?誰も気付いてないの?

ゲストもキャストも目の前をなんの反応もなく通り過ぎゆく。




「おおお?!なんだこれ!!おいシャチ!俺ら透明!!!」

『え?あ、ああうん。これから俺らのキャプテンに会いに行くぜペンギン…』

「は?なにそれトリップ?」



そんなやりとりをしていると視界に移るものがどんどん潜水艦の通路になっていく。

おー、もしや今日はキャプテンに会えないかな?海楼石貰わなきゃー




「……………何処だここ」

『多分ね、私の予想が正しければハートの潜水艦。ちょっとついて来いよ、"ペンギン"』

「!…………ああ、わかった"シャチ"」




適当に開けた部屋からシーツ盗って荷物をくるんで、キャプテンを探しにうろちょろしているとクルーから話しかけられたりしたけどそこはペンギンお得意の声真似で乗り切って、食堂に着いた。

こそっと覗いてみるとそこにはキャプテンの姿はなくてベポの後ろ姿が見えた。




『!!!ペンギン、俺、ちょっと行ってくる』

「は?ちょ、まっ…!」

『ベポ〜〜!』






飛んで抱き着いて肩から向こう側を見れば、驚いた様子のペンギンとシャチに、キャプテンがいた。




「「シャチ(俺)がもう一人いいいいい?!!」」

「…………お前、まさか」

『あは、キャプテンお久〜!また来ちゃった!今度は友達も一緒に〜!おーい、ペンギンこっち来いよ〜!』

「え、行かなきゃだめなのか?」

『もち!早く早く!』




スタン、と降りてペンギンと並び、目の前にいるペンギンとシャチと向かい合う




「うわぁ!2人とも本物よりカッコイイねー!」

「さらりと酷いこと言うなベポ……」

「...おい、なぜコイツらの真似をしている?」

『えへへ、友達とハートの海賊団の仮装してたんだ!向こうの世界にはキャプテンとベポの仮装した子もいるよ!』

「「「向こう?」」」

「シャチ、写真見せれないのか?」

『あ、あるある。えっとね、ほらこれがわたし達のキャプテンとベポ』

「…………似てねぇ」

「なあこのベポ擬人化?しかも女じゃねーの?」

「このキャプテン、さっきからベポにずっとひっついてないか?」

「そうなんだよ、ローがベポ狂いで離れてくれないんだ」






キャッキャと写真に盛り上がっているとまたも足が消え始めたことに気がついた私はキャプテンに海楼石を貸して欲しいと訴えた。





「シャチ、お前海楼石の弾持ってただろ、二人に貸してやれ、ひとつずつな」

「アイアイキャプテン!ほら、これ」

『あ、今回は貸してくれるんだ。ありがとキャプテン!』

「へえ…、これがマジモンの海楼石か……」

「力が抜けたりとかはないのか?」

『うん、前キャプテンと試したけど怠くなったりはしないんだよね。そのかわり私たちがここにいるタイムリミットが伸びるみたい。キャプテーン!今回はここにどれだけいれるか試してみてもいい?』

「ああ、俺も丁度考えていたところだ。だがあちらの世界は大丈夫なのか?」

『大丈夫!向こうじゃ時計がぜんっぜん進んでなかったから。それじゃ、改めまして自己紹介!私、ユウナっていいます』

「ユウナ、これは本名の方がいいのかな?」

『どっちでも良くない?』

「じゃあ……、僕の名前は花梨。少しの間よろしく」











end,,,

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