*ココはどこ?え?トリップ?*

□第六話目
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「初めまして、日野崎 夏希と言います。宜しく御願いします」
優しそうな笑顔でみんなに挨拶をする。
「あれ、植野さんと岡田さんは知り合いかな?」
驚いた顔と植野が自己紹介前に名字を発した為気付いたのだろう。

「は、…い、前の中学で一緒で……」
驚きながらもしっかりと返答をする岡田。
「なら良かったです!席は植野さんの隣ですよー」
だから隣に机と椅子があったのか、と納得した。
昨日まで隣には何も無かったのに今日朝来たらあったから、
不思議に思っていた。

そして日野崎は席まで来て、
「……よろしくね」
少し難しいような顔をして挨拶してくれた。
『う、ん……』
そしてそのまま何事もなくどんどん授業やらなんやらが進んでいく。
その中で日野崎と話すことは一度も無かった。
昼休み。
「日野崎。」
岡田は呼び止めた。
そして昼御飯を一緒に食べる。
「……」
「………」
二人共だんまりだった。
『あ、あのさ、日野崎ちゃん、どうやってココに来たの?』
一番不思議に思っていた事を聞いた。
そして話してくれた。
二人と全く同じであった。
朝起きたらお母さんに説明されて氷帝へ。
「全然分らないの。で、二人は元の世界では行方不明。
けど警察はほとんど動いてくれなくて、夜逃げだろって事になっちゃってるの。」
元の世界での事を話してくれた。
「んー。やっぱこっちでどうにかするしかないのかなぁ。」
「どうにか? …ってかここ本当に氷帝なんだよね? 」
『Yes,HYOTE!』
とりあえず発音重視してみたりした。
「ちょた君いたしね…、二人はこの3日〜4日間ここに居たの?」
「うん。ついでに女子テニス部に入部した」
「あぁー。マジかぁぁぁ。」
「とりあえずこうやってグダグダ過してても戻れないって分ったから、
明日、女テニと男テニが合同練習なの。
その時に、跡部に相談しようかなって思ってるんだけど…。」

色々ここの世界の事を話す。
そして日野崎も女テニに入る事にしたようだった。
先生から入部届けを貰い、部活名のところに女子テニス部と書いていた。

そのまま何事もなく部活になり、日野崎が部長、部員に挨拶をして、
実力をそれなりに見たりして部活は終わった。
(一応仮入部だけどもう入ると決めているので本入部と同じ扱い。)
ついでに日野崎は岡田とのダブルスで実力を見てもらった。
その間植野は普通に練習していた。

帰り。
「んーっ、やっぱり運動部って疲れるね」
日野崎も元々は吹奏楽部だったため、疲れたのだろう。
『部長、なんて言ってた?』
「息ピッタリだねって褒められた!」
と岡田が親指をグッと出す。
『二人のダブルスは本当凄いと思うよ。勝てる気がしないもん』
「日野崎の守備力やばいしね」
テニスの話をしながら帰る。
「そういえば二人の家は? 」
「現在隣同士なんだよね」
「もしかしたら二人と家近いかも。」
『え、どこ? 』
「このまま真っ直ぐ言って右に曲がってすぐのところ。」
「あぁ、うん、私ん家の隣だわ、それ」
なんという偶然。
本当に隣で、三人の家が並んでいた。
「不思議な事ってあるんだね」
驚きながらも言う日野崎。
『凄いわ、うん。…じゃ、また明日ね』
そういってみんな家の中に入っていく。
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