*ココはどこ?え?トリップ?*

□第八話目
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「おは……え?」
鳳だった。
普通に挨拶をしたつもりだったが、皆の視線が集まっていたため、驚いたのだろう。
「えと…??」
思いっきり不思議がっている。
かわいい。犬のようだ。

「おはよう御座います」
日野崎が返す。一番の常識人だ。
(怒りに任せて殴ろうとした事は置いておいて。)
それを聞いて、みんなそれぞれ返す。
とりあえずそれでこの話は一段落、という事にしよう。
日野崎の机の文字は消えないので、常に何かものを置いておく事にした。
教科書であったりファイルであったりバッグであったり。
そして先生も入ってきてHRが始まり、終わる。

授業中やら休み時間やらいろいろあった。
岡田は主に紙などを投げられていた。
植野は足の引っ掛けなど。
日野崎への被害はなかった。

それから昼食。
「あの、岡田さん。」
クラスメイトの女の子が岡田に話しかける。
多分この子は噂とかは特に気にせず接してくれる子なのだろう。
「何でしょう?」
悪意の感じられない子だから普通に返すと、
「その、先輩?が、呼んでるっぽいです…」
教室のドアを指差して言う。
見知らぬ先輩だった。多分植野が殴った先輩の仲間とかなのだろう。
「ん、ありがとう」
お礼を言って席を立つ。
その言葉を聞いてから、その子は去って行った。
『え、これから昼食べるのに…』
まだ昼食をとる前だった。今まさに食べ始めるところだった。
「すぐ戻ってくるさ!いっちょ行ってきますー」
軽いノリでいく。
危険な気がする。
また殴られたら?怪我させたれたら?
不安でいっぱいな二人だったが、着いていくことはせず、ご飯を食べていた。

「…なんで咲音なのかな。」
ふいに呟く。
それは植野も知りたい事だ。
『多分席がちょたの隣だからだよ。
それに咲音ちゃんは私みたいに弱々してないじゃん?だからだと思う。』
勿論岡田や日野崎のように、友達の前でははっちゃける。
けど、ほかのあまり喋らない人とだとはっちゃけない。
人見知り発動とでも言おうか。
「そういう事かぁ…。うーん、女の子って面倒。」
お前も女の子だよ、というとてへぺろ☆と返ってきたので二人で笑っていた。
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