*ココはどこ?え?トリップ?*

□第十話目
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「あ、友里ちゃん、大丈夫?」
みんなのところに戻ると、日野崎が一番最初に駆け寄ってきてくれた。
日吉は跡部のところに行き、植野を保健室に連れて行っていた事を言う。

『大丈夫だよ、擦り傷だし』
えへへ、というと、無理しないでよね!と、怒られてしまった。
日野崎は本当にいい人だと思う。
岡田は向日と一緒にジャンプをしていた。
二人の性格は何処と無く似ていたのだろう。
だから意気投合して一緒にジャンプをしていたのだろう。

今、部活は休憩、という事で皆わいわいしていた。
「植野さん!!」
芥川が植野に駆け寄ってきた。
『は、はい?な、何で、しょう…?』
「足、大丈夫だった?俺全然気付かなくって…。」
『あ、軽い擦り傷でしたから、大丈夫です』
すみません、と謝ると、謝る事ないよ、ごめんね!といい、芥川は去っていった。
「友里ちゃん、どもりが少なくなってきたねー」
日野崎が言うと、
『まぁ、前よりは…。それにジロちゃん天使だし。』
いい顔していうと、変態、と笑われてしまった。
植野はふぅ、と一息つき、その場に座る。
さっき出てた血ももう流れておらず、ポケットからティッシュを取り出し拭く。
「…貧血とかで倒れないでよ?」
日野崎は心配性なのだろう。
隣に座って、絆創膏を見る。
少し血が滲んでいた。
『大丈夫大丈夫、貧血とかなった事ないから』
「……倒れたりしたら私心臓止まっちゃうかもしれない。」
怖いよっ!?と植野が言うと、あはは、と笑う。

すると、また練習再開の声が聞こえ、立つ。
植野の膝はズキン、と悲鳴を上げるが、我慢をし、部長の周りに集まる。
すると、次はフォームの確認だそうで、全員で素振りだった。
素振りは勿論立ってだ。
部長が全員を見て周るらしい。
それで色々アドバイスをくれると。
素振りにはやっぱり若干足を使う。
植野は痛みに気付かれないように、真顔で振る。
部長の声がする。部長がアドバイスをしているようだった。
絶対気付かれないようにと痛みを我慢する。
そして部長が植野の素振りを見て、
大丈夫だね、と言い他の子を見に行った。

段々と腕が痛くなってくる。
これはみんな同じだ。
何回も何十回もラケットを振っているのだから。
皆の息も段々上がってきていた。

跡部のお叱りの声も聞こえる。
疲れでだれてしまった部員を怒っているのだろう。
あー、可哀相。
植野、岡田、日野崎は疲れながらも、
根性とその他諸々で振り続ける。
女子の方が根性があるのだ。
男子は何人も脱落していたが、女子は結構残っていた。

部長は男子のフォームも見ていた。
と、いう事は跡部も女子のフォームを見に来る、という事だろうか。
予想は的中し、女子のフォームも見ていた。
やる気を上げるためか、女子には結構優しい跡部だった。
いいじゃねぇーの、もう少しラケットを下に持ったらもっと上手くなる、など、
やっぱり跡部は凄ぇなと思う。
そして岡田のフォームを見て、跡部は、
女子のくせに力強いな、といい、岡田は喧嘩売ってるんですか?
という会話をしていた。
日野崎のフォームを見て跡部は、
もう少し強く握ってみろ、そっちの方が打ちやすくなる、というアドバイスをしており、
日野崎はお礼を言っていた。
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