*ココはどこ?え?トリップ?*

□第八話目
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そうこうしている内に岡田が戻ってきた。
外傷は何もないようだった。
『何言われた?近付くな、とか?』
「ぴんぽーん、正解♪」
「ありがちネタだねぇ。」
どこまでもありがち。
勿論楽しんでいる岡田。
別にMではない。
もう一度言おう。Mではない。
『これでマネージャーとかやって更に悪化したら笑うしかないわ。』
既に笑いながら言う。面白くて仕方がないのだろう。
「そういえばそれ(合宿)に関しては特に何もないよねー」
連絡の事だろう。
「多分ちょたから回ってくるでしょ。」
やっと昼ごはんを食べる岡田。
「ってかこんな教室の中でちょた、ちょた言っていいの?」
『多分誰も聞いてないだろうし、大丈夫だよ。』
尤も聞かれたら困るのだが。

そして昼も終わり、午後の授業も終わり、後は部活だけだった。
『そういえば今日、部活、合同練習じゃん』
「あぁ、あの緩い?」
どうしても緩いのが気に入らない日野崎。
「マジかぁ。自主練するかぁ。」
『ちょたは?』
「あー、言われたらやる。」
喋りながら部室へ向かう。
そして着替え、ストレッチをしていると、
部長が集合をかける。

「お前らよく聞け」
跡部が仁王立ちで言う。
「今日は練習試合をしようと思う」
『は?』

急な事だったので思いっ切り声が出てしまった植野。
勿論周りは静かで、植野の声はほぼ全員に聞こえていただろう。
岡田は馬鹿、という顔をして頭を抱え俯き、
日野崎は困ったように笑っていた。
「植野さん」
部長に言われてしまった。
っていうか部長軽く笑ってる。
『…すいません……』
恥ずかしさで赤面してしまった。
これはしょうがない。
こんな状況になれば誰だってこうなる筈。
恥ずかしさでどうにかなってしまいそう、と思った。

そしてまた跡部は話を続ける。
「軽い調整と、女子の力試しのためだ。
とりあえずレギュラー対レギュラー、その他やりたい奴対やりたい奴だな。」
なんかてきとう…。そう思った植野だが、もう口には出さないと決め、言わなかった。
「レギュラーはこっちのコート、それ以外はあっちのコートだ。」
そう指示を通した。
植野達は別に試合したい訳ではないので、
走るかぁ、なんて話していた。
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