僕たちの World

□ようこそ、私の世界へ
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そんな中で、分子対策室に勤めていたfirstnameは他の部署に移動するはずだった。

が、別の部署に移動したとしてその先に一体何があるというのだろうか。

13歳で、生まれ持った時計と契約しずっとクラン社に遣えてきた。

正史世界を守るため、自らを省みずひたすら分子世界を壊してきた。

───世界を壊す。

言葉にすれば簡単だ。が、実際は破壊した罪の意識がfirstnameを襲う。
眠れない日々も続いた時もあった。
だけど、正史世界を守るため、前だけを見て走り続けてきたのだ。

そして、いざ分子世界が全て消滅するとfirstnameは一気に人生の指標を失ったのだ。

当然の結果だろう。己の命を掛けてきたのだ。世界が救われて嬉しい反面、虚しさも込み上げる。

私のしてきた事って、果たして意味があったのかな……。

だからfirstnameはクラン社を辞めた。
己の人生と向き合うために。

そうして、firstnameはフリーのエージェントになったのだ。
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