【AHP】セカキク総詰め

□島国同盟
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黒菊









「おや、カークランドさん。こんな所まで何をしにいらっしゃったのですか?」
「お前の首を貰いに来たんだ。この偉大なカークランド様がな。」
「ふふ、偉大と自分でおっしゃるとは何とも哀れな方。」

俺は何度もここに来てしまう。
戦いを仕掛けに来ている訳じゃない。

「そんな偉大なカークランドさんがどうして私のような者の首が欲しいのか分かりませんねぇ。」
「お前のとこは黄金の国だ。お前の首さえ取れば金貨は俺のものだからな。」
「噂に惑わされるなんて、貴方らしくもない。きちんと情報収集してからおいでなさい。」

本田はつまらなそうな顔をした。
金貨は無いらしい。
だが、俺は本当はそれを狙ってる訳じゃない。

「おい。」
「何ですか?」
「本当に俺がそういう理由で来ているとでも思ってるのか?」
「私は貴方の気持ちなど理解出来るほど親しくはありませんので。」
「…そうか。」

俺は、俺は…そう。

「私が好きだから…とでも仰るんですか?」
「…っな!?」
「おや、ドンピシャでしたか?」
「うるせぇ、ばか。」
「貴方がでれでれな程、気持ち悪いものはありませんね。」
「な、なんだと!?」

誰のせいで顔が赤いと思ってんだ、馬鹿!
馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!

「では、私はこれで。」
「お、おい!待てよ!」
「どうなさいましたか?」
「お前はどうなんだよ。」
「何がです?」
「俺への気持ちだよ!馬鹿っ!」

俺の心臓が高鳴る。
だが、こいつはいつも通り馬鹿にしたようにはっと笑った。

「私が貴方を好きなわけ無いでしょう。貴方男ですし。大体私は三次元は嫌いです。もしも私に好かれたいなら平たくなっておいでなさい。」

高笑いをしながら去って行く本田。
いつかあいつを支配して俺のものにしたい。
俺はただただ、強くなりたいと願った。
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