【AHP】セカキク総詰め

□オタクコンビ
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画面の中のフランシスさん









『やぁ、菊ちゃん。沢山戦利品は手に入った?』

画面の中のフランシスさんがこちらに向かってハートを飛ばしています。
あぁ、何か罪悪感。
エリザベータ・ヘーデルヴァーリさんに貰ったゲーム。
作ったらしいのですが…何故、男の知り合いをキャラクターにした恋愛シュミレーションゲームを男の私にさせるのでしょうか。
しかし、日本男児たるもの…全てをクリアしてみせますよ!

▷…曲者ッ!!と叩き潰す
▷真似をしてみる
▷スルーする

これは恋愛シュミレーションゲームですから、叩き潰すのは駄目ですね…。
イヴァンさんのなら潰しますが。
とりあえず、スルーもよくないでしょうから真似しましょうか。

『はい、沢山手に入りましたよ。ーーーっ♡』

『………ッ!!』

『フランシスさんは?』

『え、あぁ…勿論、沢山手に入ったよ。あ、菊ちゃん後で見せてね!』

『ふふ、良いでしょう…。さぁ、そろそろ帰りましょうか戦利品も手に入りましたし。』

『よし、行こう!でも、ひとつお兄さんからお願いがあるんだ。』

『何でしょう?』

『絶対にさっきのは俺の前でしかやっちゃ駄目だからね?』

『は、はぁ…。』



『〜戦場帰り〜』

『菊ちゃん………持つよ?』

『いえ、日本男子たるもの…!!』

『でも、菊ちゃん一応おじいちゃんじゃない。』

『うっ…。それを言われると確かにそうですね…。』

いつもと変わらない会話が繰り広げられていて、違和感がありますね…。
話し方も私に似せてあります。

▷しかし嫁は渡しません!
▷若い人が羨ましいです…。
▷では嫁が世話になります!

え…どれが良いのでしょうか。
フランシスさんも同じ立場なので若い人が羨ましいと言うのは良く無いですよね…。
しかし持って貰うのも気が引けます…。
ですが、これは恋愛シュミレーションですから!

『では、嫁がお世話になります!』

『あれ?菊ちゃんが嫁を預けてくれるなんて珍しいじゃない。今日はどうしたの?』

『フランシスさんは価値観が分かる方ですから…それに、フランシスさんの事は信用してますので。絶対に他の方には渡しませんけどね!』

『……菊ちゃん…。』

『どうしました?』

『ん…。とりあえず荷物かして?』

『あ、はい。お願いします。』

『…あのさ、菊ちゃんに言いたい事があるんだよね。』

『はい、何でしょう?』

『夕日が帰る二人を照らす。』

『俺、菊ちゃんとずっと一緒にいたらどんなに素晴らしいだろうって考えるんだ。』

『…え?』

『菊ちゃんは料理や美についてとても分かってくれる。それだけじゃなく君はとても飛び抜けたアイディアを生み出したり、素敵な物を作り出したり出来るんだ。』

『そ、そんな事は…』

『それだけで魅力的なのに菊ちゃんの髪や瞳は吸い込まれるような美しい黒。もう俺は夢中だよ。』

『じ、爺を口説いても何も出ませんよ!』

『そういう謙虚な所も素敵なんだよ。菊ちゃんは当たり前だと思っているかもしれないけど、菊ちゃんは会ってない程昔から現在まで俺を魅了し続けているんだ。会う前は菊ちゃんの美術作品に、会った後は妖艶な容姿、敵意を剥き出しにして刃を向けてくる勇ましさ。今は丸くなっているけど…そんな菊ちゃんもとても好きなんだよ……愛しているんだ。もし良かったら俺と人生を歩んでみないか?』

▷…はい、喜んで。

『菊ちゃん…!………今夜は月が綺麗に見えそうだね。』

『いえ、今夜は曇りですよ。』

『えっ!?』

『すみません、照れ隠しです。』

『こうして、本田菊はフランシスと付き合う事になった。』

『〜第二章に続く〜』


え!?付き合って終わるんじゃないんですか!?












『はい、ゲームはおしまい!私は本田さんが本当にシナリオ通りに付き合い、続きを更新してくれる事を願っているわ!じゃあね、本田さん!』
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