【AHP】セカキク総詰め

□本田β
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俺の独占欲(男化注意)









「あの、ここはどうするの?」
「そこはベタでお願いします。」

ここは聖域。
本田さんと俺しか踏み入ってはならない域だ。
この時間だけはローデリヒさんにも邪魔されたくない。
いや、ローデリヒさんは入ってはいけない域だ。

「こんなイケメンさんが腐男子なんて、世の中の人が知ったら口を揃えて勿体無いと言うでしょうね。」
「本田さんに言われてもね〜。」

本田さんが色々な人に好かれてるの知ってるんだから。
あの音楽にお熱のローデリヒさんも、孤独を愛するギルベルトだって引きつけちゃうんだからすごい。

「爺が新しいもの好きで何が悪いんですか…。」
「いや、そういう意味じゃ…まぁ、いっか。」

本当に本田さんは…可愛い。
絶対に本田さん受けの薄い本を描いたら売れるのに…書けない俺がいる。
本田さんは俺とじゃなきゃ嫌だから。

「ベタ出来ました?」
「あ、うん。」
「ありがとうございます。じゃあ、今度はトーンお願いできますか?」
「わかりました〜。」

勝負服の赤いジャージを着て、一生懸命描く姿は本当に無防備でそわそわする。
あぁ、襲いたい。だめだ、脳内だけにしとけ。
天使と悪魔が俺の頭で戦う。

「あの、本田さん。」
「はい?」
「襲って良いですか。」
「…大丈夫ですか?」
「えっ、いや、あの!俺も描きたいから参考にしたいな…と。」

何言ってるんだ俺!落ち着け!
あー!誰か俺をフライパンで叩いてくれ!!
俺が脳内で猛反省していると、

「あぁ、ついに描かれるんですね!」
「あ、はい…。」

いや、今までもこっそり描いてたんだけどね。

「でも、襲われたくは無いですね。」
「ですよねー。」
「ですが、ポーズだけなら出来ますよ。」
「良いんですか?!」
「えぇ、他の人には頼めないでしょうし。」
「ありがとうございます!」

ささっとカメラを設置する私。
それを「慣れていらっしゃいますね〜。」と苦笑いで見つめる本田さん。

「さて、最初は表紙ですね。どんなのにするんですか?」
「二人のキスシーンが良いですね。」
「あの……申し訳ないですが、それはちょっと…。」
「そうですか…。あ!じゃあ後ろから抱きつく感じが良いです!」
「あぁ、それなら大丈夫ですよ。」
「じゃあ、カメラのボタン押します!」
「はーい。」

俺がボタンを押すと、「ごー!よん!さん!」と喋り出すカメラ。
俺は走って本田さんの後ろに回り込んで抱きつく。
右手を赤いジャージを剥ぐって滑らかな肌に添え、本田さんの左の頬に優しく口付けた。

パシャ

「ちょっと、約束と違うじゃないですか!責任取って下さるんですか!?」
「責任?取ろうか?」
「えっ。」
「俺、責任とれとか言われたら、本当にしちゃいますよ。」
「えっ?!」
「………なーんて、ジョークですよ。」
「全く、爺をからかうものではありませんよ!」

本田さんはぷんぷん怒りながらもうやってあげません!とか言っている。
やっぱり可愛い。
俺は思わずくすりと笑った。
これで後で説教になったのは言うまでもない。


その後。

「お前らには本田さんは渡さない。」
「ケセセ。本田はお前のものじゃねぇんだよ。」
「これ見てもお前は言えるのか?」
「はっ!?何だよその写真!」

本田さんは俺のだけのものです。
大好きなローデリヒさんに言われてもこれだけは譲りません♪
俺の独占欲はすごいですよ。
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