【AHP】セカキク総詰め

□本田β
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私が守ります









「あの…ヘーデルヴァーリさん?」
「はい、何ですか?本田さん。」

私、エリザベータ・ヘーデルヴァーリは彼、本田菊さんを説得する為に壁に追い詰めてるの。
横を見ながら顔を赤らめてる姿は可愛いけど…危険だわ。

「近いのですが…。私、一応男ですし危ないですよ?」
「私が言ってるのは本田さんの危険性よ!」

そう、私は本田さんに男の危険性について話してたの。
そうしたら「私、日本男児なので男に襲われる事なんてないですよ〜。」なんて呑気に言うのよ!
色んな人に狙われてるのに気付いてないの!?
ギルベルト・バイルシュミットも本田さんを狙っているし、イヴァン・ブラギンスキも危ないわ。まぁ、本田さんも要注意してるみたいだけど。
サディク・アドナンなんて危険すぎるわ!本田さんが油断しまくりなんですもの!

「ですから、私は男でして…男に襲われても逃げられるのですよ…?」
「じゃあ、この状況は何かしら?」
「…日本男児は女性に弱いのです。」
「じゃあ、本気を出して私の腕を逆転して押さえつけてみて?」
「え、女性にそのような事は…」
「出来ないと思うから言ってるのよ。やってみて?」

ちょっとした挑発。
本田さんは引っかからないかもしれない。
だけど、意外な事に

「分かりました…やりましょう。」

と。
沈黙でしばらく見つめる合う私と本田さん。
本田さんは私の腕からくぐって解放されると、私を抱き上げた。…お姫様抱っこで。

「ほ、本田さん!?」
「ふふ、こんなじじいが女性を持ち上げれるなんて…役得です。」

にこりと微笑む本田さんはまた…かっこいい。
と、思っている間にゆっくりと私は降ろされて両手を取り、優しく壁に押さえつけた。
心拍数が上がる。

「ず、ずるいです…そんなに優しくされたら…。」
「だって貴女は女性ですよ?乱暴はいけません。」
「………。」

あまり女性扱いされ無かったから、私の心臓は暴れっ放し。
手だって、振りほどける程度に優しく添えられている。
でも、私は…離さないで欲しい。

「色んな人に、こうして優しいから…本田さんは心配です。」
「私は男ですから、大丈夫ですよ。」

「さて、お茶にしましょうか。」と言いながら腕から手を離す本田さん。
くるりと振り返るその背後はやっぱり平和ボケしたのか、無防備だった。

「…本田さんは、私が守ります。」

私はそっと誓った。
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