【AHP】セカキク総詰め
□裏枢軸お花組
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画面の中のロヴィーノ君
『おい、本田!逃げるならこっちだ。』
画面の中のロヴィーノ君が手を差し伸べて来ます。
あぁ、何か罪悪感。
エリザベータ・ヘーデルヴァーリさんに貰ったゲーム。
作ったらしいのですが…何故、男の知り合いをキャラクターにした恋愛シュミレーションゲームを男の私にさせるのでしょうか。
しかし、日本男児たるもの…全てをクリアしてみせますよ!
▷その手を掴む
▷掴まないままついて行く
▷ついていかない
これは何から逃げてるのでしょう?
まぁ、これは恋愛シュミレーションゲームですから、手を掴まないのは無しでしょう。
ついていかないなんてもっての他です!
『会議場のギャーギャー騒ぐ様々な声が段々と遠ざかっていく。』
『色々な方から同時にお誘いを受けて困っていた所を助けて頂き、ありがとうございました。』
『こ、これだから困るんだよな、お前。ちゃんと気をつけろ、このやろー。』
『ふふ、ロヴィーノ君は優しいですね。』
『うるせー!…まぁ、お前の家の付近は危険だろうし、俺の家に来るか?バカ弟はじゃがいも野郎の家に泊まるから来ないし。』
『あ、良いのですか!?ありがとうございます。』
『はんっ、今回だけだからな、このやろー!』
あぁ、誘いを断れない所を助けた設定なのですね。
全く、こんなところ私に似せないで欲しいですね。
『〜ヴァルガス家〜』
『ほら、入れよ。』
『はい、お邪魔します。』
『…。』
『…。』
『あのさ、お前と二人きりってあんまり無いよな。』
『ふふ、確かにそうですね。』
いつもと変わらない会話が繰り広げられていて、違和感がありますね…。
話し方も私に似せてあります。
『お前、俺がうざいって思ったりしないのか?』
『何故ですか?ロヴィーノ君は…』
▷優しい
▷可愛い
▷孫みたい
ここで選択肢ですか…。
可愛いも孫みたいも怒られましたから…。
『とても優しいと思いますよ?今回もこのような爺を助けて下さっているではありませんか。』
『………優しい?』
『はい、とても優しいですよ。』
『………本田はそんな風に思っていたなんてな。』
『え?』
『…。』
『…。』
『ロヴィーノくん?』
『…。』
『…すみません、爺と一緒にいても楽しくないですよね…。そろそろ人も家の周りから撤退してるでしょうし、帰ります。お邪魔しました。』
『おい、待てよ。』
『…はい?』
『お前の事、俺は爺とは思っちゃいねぇよ。楽しくないなんて思った事もねぇ。好きなんだよ、お前が。』
『あ、はい。私もロヴィーノ君、好きですよ。』
『〜っ!!そうじゃねーよ!!』
『ロヴィーノは本田の顎を掴むと、触れるだけのキスをした。』
『本田、Ama。愛してるんだ。付き合ってくれないか。』
▷…はい、喜んで。
『え…ほ、本気なのかよ!?』
『はい…お慕い申しております。』
『こうして、本田菊はルートヴィッヒと付き合う事になった。』
『〜第二章に続く〜』
え!?付き合って終わるんじゃないんですか!?
『はい、ゲームはおしまい!私は本田さんが本当にシナリオ通りに付き合い、続きを更新してくれる事を願っているわ!じゃあね、本田さん!』