【AHP】セカキク総詰め
□極東兄弟
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画面の中の王耀さん
『なぁ、菊。久しぶりに我の家に来ないあるか?』
画面の中の王耀さんがこちらにお菓子を食べながら訪ねてきます。
あぁ、何か罪悪感。
エリザベータ・ヘーデルヴァーリさんに貰ったゲーム。
作ったらしいのですが…何故、男の知り合いをキャラクターにした恋愛シュミレーションゲームを男の私にさせるのでしょうか。
しかし、日本男児たるもの…全てをクリアしてみせますよ!
▷空気悪いし嫌です
▷よろしければ私の家に来ませんか?
▷是非行かせて下さい
これは恋愛シュミレーションゲームですから、断るのはもってのほか!さて、どちらでしょうか…。空気が悪いですし…
『よろしければ私の家に来ませんか?』
『え、良いあるか!?』
『えぇ、どうぞいらして下さい。』
『じゃ、じゃあキッチン借りても良いあるか?!菊のとこなら安全で美味しい材料豊富で最高の手料理振舞ってやれるあるよ!』
『えぇ、楽しみにしておきますね。』
『任せるよろし!』
『〜なんだかんだで本田家〜』
『いや〜久しぶりあるな!菊の家は!』
『色々ありましたものね。』
『そうあるな〜。色々あったある…。』
『じゃあ、とりあえずお茶でも用意しますね?』
『いや、今日は我が入れてやるね!ちゃんとお茶の葉持って来たある!』
『…では、お言葉に甘えさせて頂きます。』
いつもと変わらない会話が繰り広げられていて、違和感がありますね…。
話し方も私に似せてあります。
『どうあるか?美味いあるか?』
『えぇ、とても美味しいですよ。流石美食国ですね。』
『当然ある!いつでも我を呼ぶよろし!』
『そうですね、またこのような時間を設けたいです。』
『でもお前も料理が得意ある。今度は我にお前が作って欲しいある!』
『そうですね、今日は私が食べさせて貰いますから…。』
『そうある!あ、我が昔教えたお茶の入れ方覚えているあるか?』
『えっと…。』
▷忘れてしまいました…
▷緑茶は低温、紅茶は高温で淹れる
▷緑茶は高温、紅茶は低温で淹れる
あぁ、王耀さん口酸っぱく何度も教えてくれましたね…。
ま、おかげで毎日美味しいお茶を入れれるのですが…。
『緑茶は低温、紅茶は高温で淹れる…でしたよね。』
『覚えていてくれたあるか…!!』
『えぇ、貴方の大切な教えのひとつですから。』
『……いつもお前に哥哥と呼んで貰いたかった我あるが、今はお前がそう呼ばない事を密かに喜んでいるある。』
『…?突然どうなさいました?』
『お前は気付いてないあるか?』
『え?』
『我はずっと菊が欲しかったね。本当はアヘンの野郎と仲良くなんてして欲しくなかったし、メタボ野郎なんかとルームシェアなんてして欲しくなかったある。だから哥哥という特別な存在になって縛ろうとしていたあるよ。でも、我は間違っていたある。』
『………王耀さん…。』
『最初からこう言えば良かったあるね…。我を哥哥ではなく、お前の恋人にしてほしいある。…良いあるか?』
▷…はい、喜んで。
『え?本当…あるか!?』
『はい…お慕い申しております。』
『こうして、本田菊は王耀と付き合う事になった。』
『〜第二章に続く〜』
え!?付き合って終わるんじゃないんですか!?
『はい、ゲームはおしまい!私は本田さんが本当にシナリオ通りに付き合い、続きを更新してくれる事を願っているわ!じゃあね、本田さん!』