Vita/minX

□翼とホラー映画
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『翼ー。明日休みよね?』
「あぁ、明日は日曜で補習もないな」
『じゃあ夜ふかし出来るのよね』
「・・・それは俺を誘っているのか」
『うん。いい?』
「Of course」
『よかった。せっかく準備したのに駄目だったらどうしようかと』
「準備、だと?まさか、今日の為に」
『そうよ。苦労したんだから』
「そ、そうか!」
『うん!じゃあ早速観ようか!リ○グ!』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに?」
『翼知らないの?ジャパニーズホラームービーの超人気作』
「今から俺と寝るんじゃないのか!?」
『何言ってんの?』
「準備もしてたんだろ?」
『えぇ。レンタルショップ行って借りてきたの。ブルーレイってすごく綺麗なんですって』
「Shit!」
『あ!また汚い言葉使って!』
「俺は観ない。観たければ一人で観ろ!」
『どうしてよ』
「見てわからんか!俺は今機嫌が悪い!」
『ふーん。じゃあ智也と観るからいいわよ。智也ー』
「お呼びですか?」
『一緒に怖い映画観ましょ』
「勝手にしろ!!」
「翼様。よろしいのですか?」
「何がだ」
「ホラー映画と言うものは女性と観るのにはうってつけでございます」
「なんだと・・・・・・・?詳しく話せ」
「ホラー映画を観ると心拍数が上昇し、近くにいる誰かに助けを求めたくなります。彼女も女性でございます。ひょっとしたら翼様の腕に手を回し、縋り付き、密着してくるやも」
「よし輝!観るぞそのリ○グとやら!!!」
「それでは私は失礼いたします」
『何がどうして突然意見が変わったのかは知らないけどまぁいいわ。ほらほら座って』
「あぁ。ん?電気も消すのか」
『その方が雰囲気出るでしょ』
「そういうものか」
『はい、じゃあスタート』






「っあ!?・・・・・・うっ・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
「・・・いっ・・・・・・くっ・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』






『翼、もう終わったわよ』
「本当か!?嘘ではないな!?」
『うん。だからそろそろ腕離してよ』
「無理に決まっているだろう!大体なんだこのMovieは!音で脅かしたり突然出てきたり!あの髪の長い女はなんだ!!前髪くらい切れ!!!」
『うん、それが日本のホラーだからねぇ。それに貞○はそういうキャラクターだから仕方ないわよ。ていうかそろそろ苦しいんだけど』
「あの女がテレビから出てくるかもしれないだろう!」
『来ないってば』
「ホショウ出来るのか!?」
『出来るわ。だから離して。電気点けて寝る仕度するから』
「まさか輝俺から離れる気か」
『絶望的な顔しないでよ。歯磨きとかするんだからそりゃ離れるでしょう』
「駄目だ!俺も行く!!」
『ちょ、せめてもう少し離れて。背中にくっついてちゃ歩きにくいでしょ?』
「今日は寝る時も離さないからな!!」
『勘弁してよ・・・私明日出かけるのに』
「お、俺を置いて行くのか!?」
『たまにはいいじゃない』
「許さん!明日は俺も付いて行く!」
『あのねぇ、あれは全部フィクションなのよ?』
「Fictionの塊のようなお前が俺の目の前にいるだろう!」
『それ言われたら私何も返せないわね。でもあれは人間が作ったお話だから。エンドロールに貞子役の子の名前も出てたでしょう?』
「そんなもの見ていない」
『まぁ後半ほとんど私に縋り付いてたからね。ていうか普通逆でしょう!』
「怖いものは怖い!」
『言い切ったわね』
「だから輝今日は俺が寝れるまで抱き締めててくれ」
『あぁもう可愛いわね!体はでかいのに何でこんなに可愛いのよ!』
「俺は可愛くなどない!」
『涙目で凄んでも無駄よ!ほら早く歯磨いてベッド行くわよ。明日は映画のことを忘れるくらい楽しいデートしましょう!』
「俺は輝といられるならなんでもいい」
『これ以上可愛いこと言ったら寝かさないからね』
「Why!?」



翼とホラー映画


目的は果たせたようですね、翼様




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