海賊仕様が幻想入り

□プロローグ
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「だ、ダメだ…動かない…!!」

コクピットにいる少年が脱出できずに慌てている。
そりゃそうだ。ロールアウトされてから3年間、激戦の中で酷使し、破壊されては無理矢理ともいえる修復、改造の繰り返しで遂に機体の寿命が尽きる時が来たのだ。
木星帝国の次世代型MS「ユーリスディス・シニストラ・ディキトゥス(訳:自由の左手)」との勝負に決着が着いたこの時まで持ったのは正に奇跡とも言える。
でも、今となっては鉄の塊と同様、稼働不全に陥ってこの場から動けないのだ。

現在地点は、ミラーが破壊されて誘爆し始めるコロニーレーザー「シンヴァツ」のビーム発生施設内部。
この内部爆発に巻き込まれれば、死に至るのは確実。だから少年は慌てているのだ。
しかし、酷使して動かなくなったこの機体で、この場から動く事も、コアブロックシステムを作動する事も、ハッチを開ける事も不可能。もうどうしようもできない状態である…。

諦めた、その時だった。
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