海賊仕様が幻想入り

□エピソード1 幻想入り
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「…ッ」

各システムが復帰し始め、目に光が戻る。
複眼式センサーカメラに映ったのは…宇宙にあるはずがない、緑に生い茂る草村だった。それがゼロ距離に写っている。
ここは?そう思い、倒れた機体を立ち上げて状況を確認し始める。するとセンサーカメラに写ったのは、自然豊かな森林地帯だった。

「…?」

ここで1つの事に気付く。木々が自分よりも遥かに大きいことだ。俺は全長約16mと他のMSより小型でありながらも、木より小さい事はない。
なら、目の前にあるこの木は一体何だ?そう思って近づくが、今更ながら自分の状態にも気付く。
それは、普通に立ち上がったり、歩く事もできていた。あの時は完全に動けなかったのに、何故だと自分の機体を確認してみる。

…完全に修復されていて、おまけにあるはずがない対ビーム追加装甲「ABCマント」を身に纏っていた。
そして何より…

「ち、小さくなってる…!?」

そう。樹木が自分より大きかったのではなく、自分自身が子供サイズとも言えるくらい超小型になっていたのだ。推測して恐らく、1mくらいだろう。

「どうなってるんだ…え?」

そしてもう一つ気付く。自分自身が喋っているのだ。思った事が、口を通して声が出ているのだ。
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