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□カンビョウ
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---------- 苦しい
なにか得体の知れないものに追いかけられてる
いやだ、怖い
こっちにこないで!
いやだ..!!
『....ゃん....ちゃん....兄ちゃん!!!』
「はあっ..はあっ」
「兄ちゃん大丈夫か!?」
「いやっ!..いやっ...はあっ」
呼吸がだんだん苦しくなる、うまく息が吸えない
「はあっ..はっ...っ..ひゅー..はぁっ」
「兄ちゃん、ゆっくり呼吸しい!大丈夫やから」
この男は声をかけながら僕の背中をゆっくり擦る
僕の目からは生理的な涙が溢れ、視界がぼやけていた
「ひゅー..はあっ..げほっ.はぁっ」
僕はいつも熱がでると悪夢に魘され、過呼吸になる
高2のくせして、何でこんなに貧弱なんだろう
もうこんなことならいっそう------
「はあっ..ひゅー..げほっ..はぁっ」
どんどん悪化している、でも自分でもどうしようもない
すると男は自身の手を僕の口に強く押し当てた
「兄ちゃん、ゆっくり、ゆっくり」
暗示のように何度もその言葉をかける
「はあっ..げほっ..はぁっ」
「よしよし、もうちょっとやからな」
「はぁっ..けほっ」
するとだんだんと呼吸が落ち着いてきた
男は手を離し
「落ち着いてきたな、良かった」
そういうと男はほっと肩を落とした
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