黒子のバスケ after story

□狂おしいほど愛しくて
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俺のウインターカップが終わった。

俺達、海常は3決で秀徳に負けてベスト4で終わった。

笠松先輩達と、みんなと優勝したかった。

俺の力全て出し切って誠凛に負けた。

すっげえスッキリしたけど、すっげえ悔しかった。

また来年、勝負して今度こそ必ず勝ってやる。


優勝は俺達を下した黒子っちのいる誠凛だった。

本当に凄い試合だった。

表彰式が終わってエントランスでは各高校がそれぞれインタビューを受けている。

俺はファンの女の子に囲まれサインを求められていた。



『涼太ぁぁ!』


雑踏の中でもすぐに気づいてしまう俺の名前を呼ぶ愛しい声。

振り向いたら彼女は誠凛の輪から目に涙を浮かべて笑顔でこちらに駆け寄ってきた。


『綾っち!優勝おめでとう!』


公衆の面前でも構わない。
彼女が抱きついてきたので、俺もきつく抱きしめ返す。

中1の頃からずっと好きだった女の子。

彼女の名前は北岡綾。

全中三連覇した後、俺達キセキの世代と言われた5人と幻のシックスマンと言われた黒子っち、アメリカに帰った綾っちは袂を分けた。

そして綾っちは、俺のいる海常ではなく黒子っちのいる誠凛に戻ってきた。


『本当、黒子っちと火神っちはすげーっスね。赤司っちに勝つんスもん。』


『うん。でも、涼太。アンタもすっごく格好よかったよ。』


『・・・綾っち。もっかい言って?』


『めちゃくちゃ最高だった!あたし感動したよ!』


『〜〜・・・っっ!』

嬉し過ぎる。
綾っちの隣にいたくて、俺を見て欲しくて始めたバスケだった。

でも負けた。帝光時代には青峰っちに勝てず、海常に入って誠凛に勝てず生まれて初めて敗北を味わった。

だけど・・・・・・

「ちょっと!あなた誠凛のマネージャーでしょ!?黄瀬くんから離れなさいよ!」

俺のファンが綾っちに楯突く。

やめてくれよ。
綾っちは俺の・・・

『はぁ?誠凛とか海常とか関係ないし!ってか涼太はあたしの彼氏だから!だから文句言われる筋合いないっての!』

綾っちが頬を膨らませてファンの子に言い返した。

その場にいたファンの女の子は固まった。

っていうか、俺も硬直して言葉が発せなかった。

嬉しすぎて、幸せ過ぎて今にも泣きそうになった。

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