黒子のバスケ 中学生編 連載

□第4Q
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バスで山を2つ越え二時間後、ようやく宿舎に着いた。


各クラス、割り当てられた部屋へ荷物を運ぶ。

部屋について荷物を置いた後、綾は林間合宿のしおりを見ながら木材アートの集合場所へ向かっていた。


『綾さん。』

集合場所にはほぼ全員集まっていてその中で黒子が声をかけた。


『あ♪テツヤ〜!!一緒にやろー!』

『はい。僕も楽しみにしていました。』


作業室に入り講師に説明を受け、各々作業に取り組み始めた。


黒子と並んで座っていた綾。


『綾さんは何を作るか決めているんですか?』

『まぁね〜♪』

ニコニコしながら頷く綾。


目の前にある彫刻刀などの道具を手に取り早速製作に取りかかった。


『テツヤは何作るの〜?』

『僕は…その、出来上がるまでのお楽しみです。』

『えぇ〜?』


仲良くお喋りをしながら手は黙々と作業を続ける綾と黒子。


『綾さん、本当に器用ですね。』

『ん〜バスケの指先の感覚養いたくて結構細々したの作ってたからねぇ。アメリカで。』

『そうなんですね…。…いたっ…』

『テツヤ!?』

黒子が彫刻刀で人差し指の指先を小さく切ってしまった。

綾はすかさず黒子の手を取り人差し指をパクっと加えた。


『…えっ…あのっ…綾さん…///?』

『じっとして!もう血止まるから!』

『………////』


暫くして綾が口から離すとポケットに入っていたチェック柄の絆創膏を黒子の傷口に巻いてあげた。


『もう!あんたバスケやってんだから注意しないと!指先は一番大事なんだよ?真太郎なんか普段の生活にもテーピング巻いてるくらいなんだから(笑)あれはやりすぎだと思うけどね♪』

黒子が顔を赤くしていたのに気付き、我に返った綾もみるみる顔を赤くする。

『あっ…!ごめん!焦っちゃって舐めたりして…///』

『いえ…その…ありがとうございました。嬉しかったです。』


妙な照れ臭い雰囲気が二人を包んだ。


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