ミステリードリーム

□問題発生
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ピルルルと携帯が深夜になった。
もちろん寝ていたユウジは不機嫌Max。
「もしもし?なに?」
「誰やねん…。」
「うるさい、聞こえないからだまって。」
「…チっ」
「で?どうしたの?なにかあった?」
いま電話で話しているのは仁王 雅治でかなりのへタレだ。なかなか話そうとしない。
「はぁ…大丈夫だから言ってみ?ユウジと私しかいないよ?」
そう言うと安心したのかゆっくり話し出した。
ユウジもさっしたのか静かに耳をかたむけている。
あぁ、仁王になにがあったのやら…。

「…つまり、ストーカーに困ってるのね?はぁ…なんつーヤツやねん…。」
この世界には暇人しかいないのか。
「う〜ん…どうしようかねぇ…。」
「は?まさかオマエ…」
「そのまさかになるかも。」
「ふざけんなよ!!」
「ふざけてない。じゃあそうゆうことで。いい?くれぐれも一人で行動しないこと。わかった?…じゃあね。」
プツっと電話をきるとしばらくの沈黙の後、ユウジが口をひらいた。
「…なんでなん?」
「…」
「なんでまた…なん?」
「ユウジ…大丈夫だよ。私はここに帰ってくる…絶対に…ね?」
あぁ、だからそんな…
「悲しい顔しないで…。」
優しくユウジを抱きしめると、まるで幼い子どもが母親にすがるように抱き着いてきたユウジ。
かわいいなちくしょう。
「…帰ってこなかったら…」
「うん?」
「死なすからな…。」
「あー…はいはい。」
それからユウジを寝かせて私はさっそく神奈川に行く準備をした。
もちろんユウジが寝てる間に出発した。
…そりゃまあねぇ…アイツが起きてる時に出発したらダダこねるからねぇ…。
めんどいのはナシで。

朝日の輝く空の下。
私たちはその光に手をのばしながらつぶやく。
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