君の○○を奪う。
□君の居場所を奪う。
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キーンコーンカーンコーン…
その音と共に眠そうな目をこすり、周りを見る。
どうやら、授業が終わったようだ。
起立、と言われてゆるゆると立って、あざっしたー、と適当に挨拶をする。
そして弁当を持って、屋上へ向かう。
「ーーー名前!」
その声に、菅原はピクっと反応した。
振り返ると、
呼ばれた子、名字名前の周りにはたくさん女子がいて、
声を呼んだ主、彼女の彼氏へ向かっていた。
ーーーああ、腹が立つ。
彼女を見送った女達は、菅原くぅん、と俺の元へ歩いてきた。
これでも俺、モテるんだよね。
「ねぇ、私たちとお昼食べない?」
その中の一人、いかにも金髪で、ピアスもいくつも空いている子が話しかけてきた。
「ごめん、俺、バレー部の皆と食べるから」
そう言って、教室を後にした。