へるぷみー
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桜が、咲き乱れる春。
期待に胸をふくらませながら、新しい制服に身を包む。
くるっとまわって鏡を見ると、そこには、高校生となる自分が映っていた。
「名前!朝ごはん!」
下から母親の声が聞こえる。
「いまいく!」
よし、と気合を入れると、ベッドに置いてあったバッグを掴み、部屋を飛び出した。
朝食は、パンと目玉焼きとサラダ。
オレンジジュースも。
それらを食べ終えると、時計を見る。
ーまだ時間はある。
リモコンを手にして、朝の番組を変える。
ピ、ピ、と変えていくと、お気に入りの番組が見つかった。
オレンジジュースを飲みながらそれを見ていると、
桜は満開、というニュースが目に止まった。
お天気お姉さんが口を開きかけたところで、チャイムが鳴った。
ーーー早いな。
「名前!!早く行きなさい!!」
「ーーわかってるから!」
ブチッと電源を切り、いそいで歯を磨く。
髪型の最終チェックをし、ローファーを履く。
「行ってきます!」
今日から、新生活の始まりだ。