へるぷみー
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ピッー……ガコン!
自動販売機でレモンティーと、コーヒーを押す。
落ちてきたそれを拾い、振り返って歩き出す。
ベンにに座る、彼女の元へ。
「はい、どうぞ」
ベンチに座って俯いている彼女にレモンティーを渡して、俺も隣に腰掛ける。
缶の口を開けて、コーヒーを飲む。
隣の子は、レモンティーを飲もうとしない。
それもそうか。
さっき、痴漢にあったばかりなのだから。
「ねえ、大丈夫?」
顔を覗き込むと、まだ顔色が良くない。
さっき取り調べ室で、状況、された事などを聞かれていた。
あれを思い出すなんて、とても苦しかっただろう。
ぽん、と彼女の頭に手を乗せた。
「辛かったね。でももう大丈夫。これからは女性専用車両に乗った方がいいよ?」
総微笑みかけると、やっと顔をあげた。
「ごめんなさい。これ、ありがとうございます」
そう笑うと、ようやく蓋を開けてレモンティーを飲んだ。