東京花魁物語
□零
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「お前さえいなければカレンは…!!!」
ギリッと歯を噛み、こちらを睨んでくる。
「そ、んな…アンタの事情知らない…」
痛みを我慢し、彼を見上げる。
高尾さんの目は、黒く染まっていた。
「さっ、きカレン…にもいったけど!」
薄れそうになる意識を必死で戻しながらはぁ、はぁと息をする。
なんで、どいつもこいつも知らないの。
ここは弱肉強食の世界。
「いつ…客に殺されるか…、人気を落とされるか…分からないこの世界でっ…!」
視界の端に銀色と赤色が見える。
「必死に頑張って花魁になることが…悪いことなの!?!?」
ありったけの力を振り絞って大声で叫ぶ。
…と同時に視界がかすみ、ハッと短く息をした。
ギリリと歯を食い縛り、彼を見つめる。
ここで死ぬわけにも負けるわけにもいかない。
「………へぇ………言ってくれるじゃん」
グッ!と彼のモノが奥に突き立てられる。
身体が揺られ、傷口が痛む。
「あ゛ぁ…っ!!!」
「っはははは!痛いか?痛むか?…お前は知らなかった…思うけどこの花魁道中の最中、カレンは………………っ!!!!」
動きが激しくなり、傷口から血が溢れでてくる。
いたいっ!!!!
やめて!!!!
「あ゛……やめ…っ」
「カレンはな…自殺したんだよ!!!!」
……………え?
聞こえた言葉に頭が真っ白になった。