小説
□雪のふり方
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しんしんと雪は降るんだよ、ハレルヤ。
俺の横ですやすや眠るアレルヤはさっきそう言っていた。
『なんだしんしんって。』
俺はそんな言葉初めて聞いた。
『しんしんっていうのはね!雪が切な気に降る様子を表しているんだよ、ハレルヤ。』
暖かさで曇る窓から外を眺めるふりをして、鏡の中の俺に微笑みかけた。
愛しいと思ってしまうのは、罪なのだろうか。
『切な気?雪に感情なんてあんのかよ。』
ぶっきらぼうな物言いにアレルヤは唇を尖らせ、振り返った。
『もぅ。ロマンスの欠片もないんだから!』