小説
□憂鬱な色
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「結局、ハレルヤは僕のことなんて好きじゃないんだ…」
心は、ひどく荒れていた。
「……せっかく、謝ろうと思ったのに」
膝を抱えて、ベッドの隅でうずくまる僕の独り言をロックオンはただ静かに聞いていた。
「ハレルヤは……僕のことなんか本気で好きじゃないんだ。ミハエルが好きなんだよ、彼は…」
街の喫茶店で二人を見た時、僕は怒りにかられた。
嬉しそうに微笑むハレルヤの顔が、酷く憎く思えた。
──僕の前じゃ、そんな顔しないくせに…
駆け抜ける車に遮られながら、それでも僕はハレルヤに夢中で、まるで心は奪われているかのようだった。