小説

□ハレルヤの消えた日《後編》
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「ハレルヤ、何故ヒトはちっぽけなプライドのために命を惜しまないのかな。」


僕にはわからない、命はたった一つしかないのに。


しんとした機内の中に、アレルヤの言葉が宙に浮く。


「ハレルヤはもういないんだ、アレルヤ。」


悲しみが僕の心をむしばんでゆく。


「慣れなきゃ‥いい加減」


ハンドルの内側のボタンを押し、キュリオスは爆弾を落下した。


「‥‥ハレルヤはいないんだ」


後ろで、赤い火柱が空高く燃えあがった。
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