小説
□悲しみの欠片:SIDE-A
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『悪い、アレルヤ』
そう言ってベッドに倒れこんだのは、つい3日前だった。
「ハレルヤ、無理はしないで」
僕たちはこないだのミッションで、流行り風邪をうっかり貰ってしまった。
本当にただの風邪で、スメラギさんは少しだけ呆れながら休暇をくれた。
『‥‥わるい』
そう、ただの流行り風邪。
「僕が面倒みるから、ハレルヤ」
普段の乱暴な面影をまったく絶ったハレルヤは、みるからに艶やかだった。
『‥‥‥‥』
熱くほてった躰に、
うるんだ瞳。
触れた頬に伝わりそうな、心拍音…
「今は安静にしてて」
まるで…