マギ×メル
□第三夜
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_シンドリア王宮_
ジャ「おかえりなさいませ、王よ」
「「「「おかえりなさいませ、王よ!!」」」」
シン「うん、長い間留守にしてすまなかったな」
***
__カツカツ
廊下に二人分の足音が響く。
シン「で、アリババ君たちはどうだ?」
ジャ「ええ、ココにきて1,2か月は荒れていましたが今は落ち着いています」
シン「そうか。…彼女はどうだ?」
ジャ「ルコさんですか?彼女なら相変わらず多くは語りませんし、我々に対しても一線を引いてるような感じを受けます」
シン「うむ。やはりな…ジャーファル、八人将とアリババ君たち、ルコを呼んできてくれ。まず、外交の結果を彼に伝えねばな」
ジャ「ルークはどうなさいますか?」
シン「ルークも呼んでおいてくれ。頼んだぞ」
ジャ「仰せのままに、王よ」
****
今、さっき帰ってきたこの国の王・シンドバッドが主にアリババとアラジンに外交の結果を話していた。
この話は僕には関係ないな。
あの国の住人でも、直接関わったわけでも無い。
あの国で僕がしたことと言えば、この王様を助けたことくらいだし、そんな大した事でもなかったのだけれど。
そんなことを考えていたら話は終わったらしい。
シンドバットがハチニンショウ?を連れて来いとジャーファルに命じてた。
ジャーファルが出ていき、再び戻って来た。
その瞬間、懐かしくも憎らしい魔力の波動を感じた。
やっと、掟が果たせます…大ジジ様…
****
シン「じゃ紹介しよう!このシンドリア王国の守護神・八人将だ!」
シンが八人将の紹介をしていく。
シン「で、こいつは八人将の補佐・ルークだ」
そいつの顔を見た瞬間、僕の体は動いていた。
「ぐっ…あぁ」
『久しぶりだね〜ルーク』
その時には僕は兄さんの首を掴み、持ち上げていた。
「「「「ルーク!/さん!」」」
シン「おっおい!何してるんだルコ!」
『なにって…殺そうとしてる』
シン「なっ!?」
『久しぶりね、覚えてる?もしかして忘れちゃった?』
「ぐ、はっ…ル、コ…なっぜ、ここ、に…」
『覚えててくれたんだぁ!じゃあ…あの掟″も覚えてるよね?』
「う、あぁ…身内、のっ不始、末はっ身内、でっ…そ、うかっお、れを…殺しにっここ、まで…ぐ、あ…」
「「「「「「な、何!?」」」」」
『そうそう!と、いうことで…カルディアの掟に従い貴方を殺します。』
「お、れはっまだ…死ぬわけにはっ」
『…いい加減、苦しそうな演技はやめたら?ルーク』
「ふっ敵わねえなあ流石俺様の妹ってとこか」
『この腐れゾンビ野郎が。バレバレなんだよ』
更に掴んでいる手に力を込めるが苦しそうな素振りは見せず、むしろ余裕な表情を見せる。
「おーおー怖いねェ。昔っからそうだお前は。」
『ふん。貴様が言うか。』
アリ「さっきから状況が掴めないんだけど!?」
ジャ「彼女はもともとある人物を殺すために旅をしていた。その人物が…」
シン「八人将補佐にして彼女の兄・ルークだ」
モル「しかし、カルディアなんて国…聞いたことありません」
スパ「私たちが聞いた事無いだけなのかもしれぬ」
ヤム「でも、カルディアなんて国無いわ」
アリ「そうですよ、歴史上にそんな国存在したなんて聞いた事も無いですし」
「そろそろ離せよ、ルコ」
『嫌、に決まんだろうがっ!!!』__ブンッ
__ドガァァンッ__
ルークを王宮の床に叩きつける。
叩きつけた所を中心に穴とヒビが入り、砂塵が舞い上がる。
砂塵が晴れた時、叩きつけたはずのルークが居らず、穴だけがあり、
「隙、だれけなんだっよっ!!!」
いつの間にか後ろに回りこまれ、剣を振り下ろす。
その瞬間
『ガーデス!!』盾を出し、剣を防ぎつつ後方に飛び距離を取る。
「あーあ、大穴あいちまった…。財政難だっつのによぉ」
『知らないね、そんな事。』
一気にカタを付けることにする。
「急に黙り込んでどうしたぁあ!」_ダッ
『別にどうもしねえよっ!!ダークネスARM・スィーリングスカル!!!』
__カッ_ピタッ___
「なっ!?ダークネスだと!?」
走る体制のまま固まるルーク。
『そ、アンタの動きは封じさせて貰った。』
動きの止まったルークに近づく。
『このまま殺そうとしたってアンタはゾンビだ。殺せない。』
「ああっ!殺せるわけがねえ!俺様は不死身だからなあ!」
『そうね、普通″の方法じゃあね』
「あ?強がりはよせよ。俺様は殺せねえしテメエもゾンビの仲間入りだあ!そのタトゥも時期に回りきる」
『それが嫌だからここまで来たんでしょうが。
掟の為。自分の為。復讐を果たすためにね。
これ…知ってる?』__チャラ…__
「あ゛?なんだそりゃ…まさか!」
『アンタの不死を砕くアーム♪コイツでアンタは死ぬし、僕の呪いも解ける』
__ビリリィィィィ__
「なっ!?///なにしやがるっ!///」
『え?なにって服破いてる。アンタの体のどっかにある鍵穴探してるだけだけど?あ、あった』
「はっ!?」
『やっぱファントムと同じとこなんだ』
_スッ__ガチン___
鍵を入れられた一瞬_目から光が消え、大人しくなった。
「……ファントムも…こんな感じだったのかなぁ」
『そうかもね』
「__生きることに疲れたのかもな…もうなんであんなに生きる事に執着してたのか…」
『なんでアンタがそんな生きる事に執着してたのかは知らないけど…』
*