1006 BOOK
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『改めましてナギです。よ、よろしくお願いします』
「フフッ、あぁよろしくな。そんなにビビるな、ローの妹に何かしたりしねぇよ」
『いや、あの・・・・・・じょ、条件反射というか・・・・・・』
嘘ではない、ドフラミンゴさんに改めて挨拶をと
ローと一緒に尋ねたはいいが
部屋にデカデカとシンボルマークの旗が飾られ
視界にはいったとたん、ガタガタとからだが震える
大丈夫、大丈夫、あの時とは違う、何もしないって言ったし
ローがついてるし
「ただ単にビビってるような反応じゃねぇな」
「ナギ、話してみろ」
『っ!!』
ど、どう言おうか
口に出したくもない記憶なんだけど
ロー 兄の名前を呼び、手を伸ばす
届くように屈んでくれた頭を、緩く引き寄せ
背伸びをして、おでこをくっつける
あの時の、最悪の記憶をローに移したところで
人でも殺しに行くような不機嫌な顔のローがいて
部屋に戻ってろ
初めて聞く、低い声に、全速力で部屋に戻った
*
「ドフラミンゴ、お前の傘下の下っ端、名前なんつったかな、頬にシンボルマークがある、金髪のバカでかい斧を使うやつ」
「あぁ、あいつか。そいつがどうした?」
「あいつが知らなかったとはいえ、ナギが住んでた町を襲った」
そう言葉にした瞬間、目の前のピンクからは殺気がこぼれる
クソミンゴが、殺気抑えやがれ、ナギが倒れる
「暴行、性的暴行を加えたあげく、海に捨てやがった」
「そりゃあ、ビビるのも無理はねぇな」
ガタリと立ち上がって、横を通って部屋を出ようとする奴の考えは丸わかりだが
止める気もねぇな
むしろ
「俺がやる」
「・・・・・・仕方ねぇ、譲ってやる」
電伝虫で、そいつを呼び出した奴は
ドカリとまた椅子に座った
「ロー」
「なんだクソミンゴ」
「ナギは俺に懐いてくれるか?」
「懐かせるわけねぇだろ。お前はずっと嫌われたままでいい」
「ひでぇこと言いやがる」
あたりまえだ
保護者とはいえ、ナギの面倒を見るのは俺だ
クソミンゴの視界には、髪の毛1本でさえ入れたくねぇぐれぇだ
「それに加え、あいつの逃走計画をおじゃんにした張本人だしな」
「そいつは、しかたねぇだろ」
「俺にとっちゃ好都合だって言ってんだ」
クックッと笑い、そいつが来たら呼んでくれ
まずは、ビビってるナギを宥めて
少しぐれぇは、あのクソミンゴも安全だって伝えてやらねぇと
今頃シーツにくるまって、ボロボロ泣いるだろうしな
「あいつを傷つけたなら、ちゃーんとお礼しねぇとな」
死んだほうがマシだと思わせて
苦しめて、苦しめて、殺してやる
楽に死ねると思うなよ
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